2012.12.29 第504回放送分『不活化ポリオワクチン』 ゲスト:重森雅彦ドクター


二見いすず: ドクタートークでは、不活化ポリオワクチンについて、鹿児島県医師会の重森雅彦(しげもりまさひこ)ドクターにお話を伺っています。
重森さん、今週もよろしくお願いいたします。

重森雅彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は、最終日です。
これまで4週にわたり伺ってきたお話をもう一度まとめたいと思います。

重森雅彦Dr: わかりました。

二見いすず: ポリオとは、ポリオウイルスの感染によって、麻痺などの症状がまれに現れるという病気ということでしたね。

重森雅彦Dr: そうですね。
ただし、現在の日本では、約30年、野生株、つまり自然発生したポリオウイルスは発見されていません。

二見いすず: そうでしたね。
ただ、30年以上発生していなくても、やはり予防接種は必要なのですよね。

重森雅彦Dr: そうですね。
地球全体を見ますと、まだポリオが流行している国はいくつかあります。
現在のように交通網が発達して外国との行き来もさかんになりますと、ウイルスに接触することが全くないとは言い切れません。
ポリオに感染して発症してしまうと、一生涯麻痺が残ったり、最悪の場合は命に関わることもありますから、万が一にそなえる意味でもポリオの定期接種は必要だと思います。

二見いすず: なるほど。
ポリオウイルスが撲滅されるまでは、やはり、予防接種は必要ですね。

重森雅彦Dr: そうですね。

二見いすず: そして、このポリオについて、平成24年9月から導入された不活化ポリオワクチン、そして同じく11月から導入された不活化ポリオワクチンを含む4種混合ワクチンについても詳しくうかがいました。
これまでごくまれに重い副反応が出ていた生ポリオワクチンの接種が中止され、今後は、不活化ポリオワクチンが接種されるということでした。

重森雅彦Dr: そうですね。
平成24年9月から導入された不活化ポリオワクチンについては、病原性を殺したウイルスを使用しているので重い副反応の心配がなくなりました。
これまで副反応が心配で接種を控えていたお母さんたちもぜひ医療機関で詳しい話を聞いてみていただきたいと思います。

二見いすず: そうですね。
そして、現在は、ワクチンの種類が変わる移行期ということで、これまでに、すでにいくつかのワクチンを受けてきたお子さん、まだ全く受けていないお子さんと、一人ひとりの接種履歴によって、ワクチンの接種方法が異なるということでした。
詳しくは接種履歴を確認して医療機関にご相談いただきたいと思います。

重森雅彦Dr: そうですね。
ワクチンは、子どもさんが健やかな人生を送るために大切なものです。
今は接種するタイミングなども複雑で、お母さんたちは大変だと思いますが、医療機関と相談しながら、きちんと進めていただければと思います。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の重森雅彦ドクターでした。
5週にわたり貴重なお話をありがとうございました。

重森雅彦Dr: ありがとうございました。