2013.5.4 第522回放送分『認知症』 ゲスト:永田浩三ドクター



二見いすず: ドクタートークのテーマは「認知症」です。
お話は、鹿児島県医師会の永田浩三(ながたこうぞう)ドクターです。
永田さん、よろしくお願いいたします。

永田浩三Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 高齢化社会を迎えて、「認知症」はよく聞かれる病気となりました。
あらためて「認知症」とはどういう病気なのでしょうか。

永田浩三Dr: はい。
認知症は、一言でいうと、脳の病気です。
少し詳しく言いますと、一度は、正常に発達した認知機能が、後天的な脳の障害によって、認知機能が持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言います。

二見いすず: わかりました。
では、その認知機能が低下する、というのはどのようなことを言うのでしょうか。

永田浩三Dr: はい。
代表的なもので、記憶力や思考力の低下や、話を理解したり計算したりする能力の低下、学習能力の低下などが挙げられます。

二見いすず: なるほど。
年齢を重ねれば、誰でも気になってくることですね。

永田浩三Dr: そうですね。
「認知症」は、これらの認知機能が、持続的に低下し、進行・慢性化する病気と言えます。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。
では、「認知症」の症状についてお願いします。

永田浩三Dr: はい。
「認知症」の症状は、2つのタイプの症状があることを知っていただきたいと思います。

二見いすず: 2つのタイプ、ですか…。

永田浩三Dr: はい。
まず1つめは、「認知症」の原因である、脳の障害そのものが引き起こす「中核症状」と呼ばれるものがあります。

二見いすず: はい。
脳の障害そのものが引き起こす症状と言いますと、先ほどのお話にありました、記憶力や思考力、理解力、計算力、学習能力などの低下のことでしょうか。

永田浩三Dr: そうですね。
さらに具体的に申し上げますと、最近の記憶や出来事や行動を忘れてしまう、今の日付や時間、人物などがわからなくなる、品物がわからない、人の名前が出てこない、服の着方、道具の使い方がわからない、段取りや計画が立てられなくなる、などの症状があります。
これを中核症状と言います。

二見いすず: わかりました。
では、もう一つの症状はどんなものでしょうか。

永田浩三Dr: はい。
「認知症」の2つめの症状は、「周辺症状」または、「行動・心理症状(BPSD)」と言いまして、認知機能の低下による環境の変化や体の状況、介護者とのかかわり方などが関係して起こるものです。

二見いすず: なるほど。
具体的にはどのような症状があるのでしょうか。

永田浩三Dr: はい。
財布や物を盗まれたという妄想や、幻覚・幻聴、不安で一人でいられない、徘徊してしまう、暴言・暴力、抑うつ気分などがあります。

二見いすず: よくわかりました。
では、来週も引き続き認知症についてさらに詳しく伺います。
お話は、鹿児島県医師会の永田浩三(ながたこうぞう)ドクターでした。
ありがとうございました。

永田浩三Dr: ありがとうございました。