2013.5.11 第523回放送分『認知症』 ゲスト:永田浩三ドクター


二見いすず: ドクタートークのテーマは「認知症」です。
お話は、鹿児島県医師会の永田浩三(ながたこうぞう)ドクターです。
永田さん、よろしくお願いいたします。

永田浩三Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、認知症が後天的な脳の病気であり、認知機能が徐々に低下することで、日常生活や社会生活に支障をきたすようになってしまう病気だと伺いました。

永田浩三Dr: そうですね。

二見いすず: また、認知症には、脳の障害そのものによる、記憶力や思考力の低下などの症状と、それらの症状によって、妄想や幻覚・幻聴、不安、徘徊、暴言・暴力、抑うつ気分などが起こる周辺症状があるということでした。

永田浩三Dr: その通りです。

二見いすず: では、本日は、認知症の原因についてお願いします。

永田浩三Dr: はい。
認知症には、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症があります。

二見いすず: はい。
アルツハイマー型はよく耳にいたします。

永田浩三Dr: そうですね。
アルツハイマー型がもっとも多く、認知症の約半数以上を占めています。

二見いすず: アルツハイマー型の原因は何でしょうか。

永田浩三Dr: はい。
脳の中には「アミロイドβたんぱく」という物質が沈着することにより、脳の神経細胞が破壊され、記憶に関する脳の部分が委縮してしまいます。

二見いすず: はい。

永田浩三Dr: 脳の記憶に関する部分が委縮することによって、記憶障害や思考力低下などの中核障害や、妄想、徘徊などの周辺症状が起こるのです。

二見いすず: なるほど、わかりました。
では、認知症は、このほかにもあるのでしょうか。

永田浩三Dr: はい。
さきほどのアルツハイマー型認知症などは、中枢神経変性疾患というものに分類されますが、血管性認知症というものもあります。

二見いすず: 血管性認知症とは何ですか。

永田浩三Dr: はい。
脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって引き起こされる認知症で、全体の2割を占めると言われています。

二見いすず: はい。

永田浩三Dr: また、これまで申し上げてきた認知症は、治療が難しいのですが、治療ができる認知症として、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍などがあり、これらは手術を行えば、治る可能性があります。

二見いすず: 認知症にもいろいろな原因があり、一般的には治療は難しいものの、原因によっては治療が可能であることがわかりました。
お話は、鹿児島県医師会の永田浩三(ながたこうぞう)ドクターでした。
ありがとうございました。

永田浩三Dr: ありがとうございました。