2013.5.18 第524回放送分『認知症』 ゲスト:永田浩三ドクター


二見いすず: ドクタートークのテーマは「認知症」です。
お話は、鹿児島県医師会の永田浩三(ながたこうぞう)ドクターです。
永田さん、よろしくお願いいたします。

永田浩三Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、認知症にもいろいろな原因があり、一般的には治療は難しいものの、原因によっては治療が可能であることをお話しいただきました。
慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍などがあり、これらは手術を行えば、治る可能性があるそうですね。

永田浩三Dr: そうですね。
認知症にも治療できるものがあることを知り、認知症の症状があったら、原因がどのタイプなのかしっかり医療機関で診断してもらうことがとても大切です。
ぜひ、そのことを多くの方に知っていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
では、原因によっては治療できるものもあるとのことですが、多くの認知症は、やはり治療は難しいのでしょうか。

永田浩三Dr: そうですね。
多くの認知症は、治療は難しいのですが、早期発見を行えば、お薬を使って、認知症の行動・心理症状を減らす、つまり、症状の進行を遅らせることはできます。

二見いすず: なるほど。
進行を遅らせる、のですね。

永田浩三Dr: そうですね。
ただし、すべてのケースで、薬を使って進行を遅らせる治療を行うというより、お一人お一人の環境や状態を含めて考え、ケアやリハビリテーションを組み合わせて、認知症の患者様がその人らしく暮らせるように支援する、ということが基本です。

二見いすず: その方らしい暮らしを支援することを目的に、薬物治療やケア、リハビリテーションを組み合わせるということですね。

永田浩三Dr: そうですね。
薬物は進行を抑制する効果が期待できますが、患者さんの状態によっては、気分が高揚しすぎて負担が大きくなる場合もあり、いろいろなことを配慮しながら治療を行う必要があると思います。

二見いすず: なるほど。

永田浩三Dr: そもそも、認知症は、認知障害により社会生活が困難となった状態ですから、薬物療法などによる医学的なアプローチから認知機能向上を目指すと共に、ケアのアプローチから生活障害を改善し、さらに、リハビリテーションも行い、総合的に治療を行うことが大切だと思います。

二見いすず: なるほど、よくわかりました。

永田浩三Dr: 認知症になっても、いつでも、どこでも、その人らしく暮らせるように、ということを目標に、治療や支援を考えていきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
認知症については、患者さんが、いつでも、どこでも、その人らしく暮らせるように、という視点で、考えていきたいですね。
お話は、鹿児島県医師会の永田浩三(ながたこうぞう)ドクターでした。
ありがとうございました。

永田浩三Dr: ありがとうございました。