2013.9.7 第540回放送分『アレルギー疾患』 ゲスト:井上博雅ドクター



二見いすず: 9月になりました。
ドクタートークは「アレルギー疾患」について鹿児島県医師会の井上博雅(いのうえ ひろまさ)ドクターにうかがいます。
井上さん、よろしくお願いいたします。

井上博雅Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今月のテーマである「アレルギー疾患」とは、どのような疾患のことをいうのでしょうか。

井上博雅Dr: はい。
「アレルギー疾患」は、簡単に申し上げますと、体の外から細菌やウイルスなどの異物が入ると、それに対抗する抗体やいろいろな細胞を用いて異物を排除しようとします。
これは「免疫」という仕組みです。
この仕組みは、外界から体を守るために必要不可欠な反応といえますが、一部の人では、この仕組みが過剰に働き「行き過ぎ」となることがあります。
つまり、抗体が必要以上につくられるために、体に不都合な様々な症状を引き起こします。
これを「アレルギー」といいます。

二見いすず: なるほど。
「アレルギー疾患」は、私たちがもともと持っている免疫機能が、異物から体を守ろうとして過剰に反応することでおこるのですね。

井上博雅Dr: そうですね。
免疫機能は、外部の異物から体を守るという重要な働きをしているものですが、状況によっては過剰に反応が起こることがあり、これが「アレルギー疾患」を起こしてしまうのです。

二見いすず: よくわかりました。
では、「アレルギー疾患」の原因となる異物にはどのようなものがあるのでしょうか。

井上博雅Dr: はい。
「アレルギー疾患」を引き起こす原因となる異物を「アレルゲン」と言い、代表的なもので、ダニ、花粉、ペットの毛・ふけ、カビ、食物、金属などがあります。

二見いすず: なるほど。
私の友人には「そばアレルギー」という方がいらっしゃいました。
いろいろな「アレルギー疾患」があるのですね。

井上博雅Dr: そうですね。
アレルギーの原因は、多岐にわたり、人それぞれです。

二見いすず: よくわかりました。
では、代表的な症状としては、どのようなものがありますか。

井上博雅Dr: はい。
「アレルギー疾患」の代表的なものとしては、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、花粉症、アレルギー性結膜炎、食物アレルギーなどがあります。

二見いすず: なるほど。
「アレルギー疾患」というと、皮膚炎などのイメージが強かったのですが、さまざまな病気の原因になるのですね。驚きました。

井上博雅Dr: そうですね。

二見いすず: 「アレルギー疾患」は、やはり近年増えているのでしょうか。

井上博雅Dr: はい。
平成4年から6年度にかけて実施された厚生科学研究の全国調査によると、日本人の約3人に1人が何らかの「アレルギー疾患」をもっているということになります。

二見いすず: よくわかりました。
3人に1人は「アレルギー疾患」を持っているということで、本当に身近な病気ということですね。
お話は、鹿児島県医師会の井上博雅(いのうえ ひろまさ)ドクターでした。
ありがとうございました。

井上博雅Dr: ありがとうございました。