2013.9.21 第542回放送分『アレルギー疾患』 ゲスト:井上博雅ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「アレルギー疾患」について鹿児島県医師会の井上博雅(いのうえ ひろまさ)ドクターにうかがっています。
井上さん、本日もよろしくお願いいたします。

井上博雅Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 前回は、喘息になったら、きちんと医療機関で治療を受けることと、自分が何に対して喘息発作が出るかがわかる場合には、ダニの対策など、そのアレルゲンの対策を行って、なるべくアレルゲンを避ける様にすることも重要だということでした。

井上博雅Dr: その通りです。

二見いすず: では、医療機関での喘息の治療方法にはどのようなものがあるのでしょう。

井上博雅Dr: はい。
喘息の長期的な治療方法は、定期的にステロイド薬を含む炎症を抑える薬を吸入すること。
また、発作時には気管支を広げる薬(気管支拡張薬)を吸入することなどで、適切な治療を行うことで、重症化や深刻な事態に陥ることは防げるようになってきています。
もちろん、炎症を抑える飲み薬もあります。

二見いすず: なるほど。
喘息で、重症化や深刻な事態に陥ることがあるのですね。

井上博雅Dr: そうなんです。
実は、喘息で、毎年全国で約2千人の方が亡くなっているんですよ。

二見いすず: えっ。
そんなに多くの方が亡くなられているとは…。
アレルギーが原因でぜんそくになり、命にまでかかわるとは、驚きました。

井上博雅Dr: そうなんです。
ただし、喘息の治療はとても進歩していて、以前は長期間の入院を余儀なくされていた方でも、発作の時などを除いては、現在は患者さんの状態によっては、外来で対応できる場合も増えています。

二見いすず: なるほど。

井上博雅Dr: 実は、鹿児島県は、以前は、喘息で死亡する率の全国ランキングで、長年ワースト3以内が続いていましたが、県内の呼吸器内科の医療レベルも進歩し、2011年には、ワースト3を抜け出し、死亡率が減少しています。

二見いすず: それはよろこばしいことですね。
アレルギーが原因の一つと考えられるぜんそくですが、現在治療法も進歩し、しっかりと診断・治療を受ければ、症状の改善につながるということですね。

井上博雅Dr: そうですね。
吸入する薬(吸入薬)は、大きく進歩してきています。
もちろん、吸入が難しい方には、有効な飲み薬もあります。
ぜひ担当の医師にご相談され、治療を続けて、喘息をコントロールしていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
ありがとうございます。
今回も「アレルギー疾患」について、ぜんそくを中心にお話を伺いました。
お話は、鹿児島県医師会の井上博雅(いのうえ ひろまさ)ドクターでした。
ありがとうございました。
来週も引き続きお願いいたします。

井上博雅Dr: ありがとうございました。