2013.12.7 第553回放送分 『ワクチン』 ゲスト:西順一郎ドクター



二見いすず: 12月になりました。
今月のドクタートークは、「ワクチン」について鹿児島県医師会の西順一郎(にしじゅんいちろう)ドクターにお話を伺います。
西さん、よろしくお願いいたします。

西順一郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: まず、あらためて「ワクチン」とは、何のために使われているものなのか、教えていただけますか。

西順一郎Dr: はい。
ワクチンは、ある特定の感染症に対する免疫、つまり、抵抗力を獲得するためのものです。
今の季節に多いインフルエンザの予防接種や、赤ちゃんのときに接種するポリオや風しんなどの予防接種もワクチンが使われています。

二見いすず: なるほど。
ワクチンとは、インフルエンザや風しんなど、特定の感染症に関する抵抗力をつけるために接種するのですね。

西順一郎Dr: その通りです。
ワクチンは、インフルエンザや風しん等の流行性の感染症に対するものが多いのですが、ほかに、ポリオなど日本にはない感染症が海外から入っているのに備えて接種するもの、また、ヒブや肺炎球菌など流行性ではないものの、感染すると重症化する病気を予防するために接種するというものもあります。

二見いすず: なるほど。
ワクチンによる予防接種にもいろいろなものがあるのですね。
よくわかりました。
では、ワクチンは注射が多いのでしょうか。

西順一郎Dr: そうですね。
ワクチンの接種は、注射によるものがほとんどですが、ロタウイルスワクチンだけは口から飲むワクチンです。

二見いすず: そうなんですね。

西順一郎Dr: はい。
また、ワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」があります。

二見いすず: はい。

西順一郎Dr: まず「生ワクチン」は病原体の毒性をギリギリまで弱くした弱毒性のもので生きて体の中で増えるものです。
また、「不活化ワクチン」は、病原体を殺して毒性をなくしたり、抵抗力をつけるのに必要な成分だけを取り出して注射するものです。

二見いすず: どういう違いがあるのでしょうか。

西順一郎Dr: はい。
「生ワクチン」は1回から2回という少ない接種で免疫が十分できますが、「不活化ワクチン」に比べて副反応が出やすい場合がときにあります。
「不活化ワクチン」は、副反応が出ることはきわめて稀ですが、何回も接種しなければ十分免疫ができない、という違いがあります。

二見いすず: 生ワクチンか不活化ワクチンは自分で選択できるのでしょうか。

西順一郎Dr: いいえ。
生ワクチンまたは不活化ワクチンのどちらを使うかということについては、対象とする病原体に応じて決まっています。

二見いすず: よくわかりました。
お話は、鹿児島県医師会の西順一郎(にしじゅんいちろう)ドクターでした。
ありがとうございました。

西順一郎Dr: ありがとうございました。