2014.1.4 第557回放送分 『アルコール性肝障害』 ゲスト:井戸章雄ドクター



二見いすず: 2014年がスタートしました。
今月のドクタートークは、「アルコール性肝障害」について鹿児島県医師会の井戸章雄(いどあきお)ドクターにお話を伺います。
井戸さん、よろしくお願いいたします。

井戸章雄Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今月のテーマは「アルコール性肝障害」ということですが、ラジオをお聞きの皆様も、年末年始の会合やお正月でお酒を飲む機会も多かったのではないでしょうか。
お酒を楽しみつつも、健康のことも気になるという方もいらっしゃると思います。

井戸章雄Dr: そうですね。
「アルコール性肝障害」とは、文字通り、アルコール、つまり適量を超えたお酒を長期間飲みつづけることで起きる肝臓の病気のことを言います。

二見いすず: はい。
お酒が原因で起こる肝臓の病気、ですね。
そもそも、お酒と肝臓はどのような関係があるのでしょうか。

井戸章雄Dr: はい。
人がお酒を飲む、つまりアルコールを摂取すると、そのほとんどが肝臓で代謝されますが、アルコールそのものやアルコールが分解されて発生した物質が肝臓の細胞を直接傷つけます。
それに加えて、飲酒による栄養障害や免疫異常などが肝障害をさらに進めます。

二見いすず: なるほど。
ではアルコール性肝障害には、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。

井戸章雄Dr: はい。
アルコール性肝障害には、3つの病気があります。

二見いすず: はい。

井戸章雄Dr: 脂肪肝、肝硬変、アルコール性肝炎です。

二見いすず: 脂肪肝、肝硬変、アルコール性肝炎ですね。
これらは、それぞれどのような病気なのでしょうか。

井戸章雄Dr: はい。
まず、脂肪肝ですが、脂肪肝とは肝臓の中に中性脂肪という脂肪が過剰に沈着した状態です。

二見いすず: アルコールを飲みすぎると、肝臓に脂肪がついて肥満状態になってしまうのですね。

井戸章雄Dr: はい。
大量に飲酒すると、アルコールの処理を優先して脂肪の代謝が後回しになるため、中性脂肪が肝臓の細胞にたまってしまい、脂肪肝になってしまうのです。

二見いすず: なるほど。
では、脂肪肝になったとき、自覚症状はありますか?

井戸章雄Dr: いいえ。
脂肪肝になっただけでは、自覚症状はありません。
健康診断などの血液検査等で、肝臓に異常があったときに血液中で増えるガンマGTPの値で発見されるケースが多いと思います。

二見いすず: そうなんですね。
ぜひ血液検査のガンマGTPの値を注意して見ていただきたいと思います。
来週も引き続きアルコール性肝障害についてお話を伺います。
お話は鹿児島県医師会の井戸章雄(いどあきお)ドクターでした。
ありがとうございました。

井戸章雄Dr: ありがとうございました。