2014.1.11 第558回放送分 『アルコール性肝障害』 ゲスト:井戸章雄ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「アルコール性肝障害」について鹿児島県医師会の井戸章雄(いどあきお)ドクターにお話を伺っています。
井戸さん、今週もよろしくお願いいたします。

井戸章雄Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今月のテーマは「アルコール性肝障害」ということでお送りしていますが、先週は、アルコール性肝障害は、適量を超えたお酒を長期間飲み続けることで起こる肝臓の病気だとうかがいました。
アルコール性肝障害には、脂肪肝、肝硬変、アルコール性肝炎という病気があるそうですね。

井戸章雄Dr: そのとおりです。

二見いすず: 先週は、脂肪肝は、アルコールの飲みすぎで肝臓に脂肪がたまってしまう病気のことだと伺いました。
自覚症状がなく、血液検査のガンマGTPの数値などで発見される、とのことでした。
では、今週は、肝硬変、アルコール性肝炎についてお願いします。

井戸章雄Dr: はい。
脂肪肝の方は、お酒をその時点でやめれば症状は改善する可能性があるのですが、肝硬変は一度なってしまったら治ることは難しいとされています。

二見いすず: お酒をやめても治らないのですか…。

井戸章雄Dr: はい。
アルコールには肝臓の線維化を進める、つまり肝臓を硬くする作用もありますので、長年飲酒を続けると肝硬変になります。
肝硬変は、肝臓が小さく硬くなってしまう病気で、進行すると腹水や黄疸などがみられるようになり、命に関わります。

二見いすず: 肝硬変は命に関わる病気であると…。
怖いことですね。
では、アルコール性肝炎とは…。

井戸章雄Dr: アルコール性肝炎は、日頃から焼酎を1日2,3合飲まれている方が短期間に大量の飲酒をすることで発症する肝炎です。
腹痛、発熱、黄疸などの症状で発症し、重症化すると、命を救うことも難しくなります。

二見いすず: そうなんですね。
肝硬変もアルコール性肝炎も、大変深刻ですね。
どちらも自覚症状はないのでしょうか。

井戸章雄Dr: はい。
自覚症状が出たときは、相当重症化しているときだと思います。
血液検査でガンマGTPの値が高く、脂肪肝を注意されても、自覚症状がないためにそのままお酒を飲み続けると、知らず知らずのうちに、肝硬変に進んでしまうのです。

二見いすず: なるほど。
アルコール性肝障害はなかなか自分では気づきにくい病気かもしれませんが、お酒を飲みすぎているなと気になる方や、血液検査で注意を促された方は、重症化すると命に関わることがあることを知り、ぜひ病気のことから目をそらさず、検査を心掛け、生活改善をしていただきたいと思います。

井戸章雄Dr: そのとおりですね。

二見いすず: 今週も「アルコール性肝障害」をテーマにお送りしました。
お話は鹿児島県医師会の井戸章雄(いどあきお)ドクターでした。
ありがとうございました。

井戸章雄Dr: ありがとうございました。