2014.1.25 第560回放送分 『アルコール性肝障害』 ゲスト:井戸章雄ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「アルコール性肝障害」について鹿児島県医師会の井戸章雄(いどあきお)ドクターにお話を伺っています。
井戸さん、最終日の今日もよろしくお願いいたします。

井戸章雄Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、アルコール性肝障害にならないためのアルコールとの付き合い方についてお話を伺いました。
日本酒ですと、3合を5年以上毎日飲みつづけると、常習飲酒家、10年以上飲みつづけると大酒家と言い、アルコール性肝障害になる可能性が高いということでした。
焼酎は、アルコール度数の関係で、0.5合が日本酒の1合と同じとのことでした。

井戸章雄Dr: そのとおりです。
また、女性の方は、もっと少ない量でアルコール性肝障害になりますので、注意していただきたいと思います。

二見いすず: 女性はさらに少量でもそういった病気になりやすい、ということですね。
最近は、社会で働く女性も増え、会合やお付き合いなどで飲酒をされる方も多いと思います。
ご自分のお酒の量を考えて、病気を予防していただきたいと思います。

井戸章雄Dr: そのとおりです。
実は、アルコールの消費量は1999年をピークに少し減少していますが、肝臓病の中でアルコール性肝障害の患者さんの割合はむしろ増えてきています。
二見さんもおっしゃるように、女性の社会進出も関係があるかもしれません。
また、専業主婦にも昼間から飲酒される方がおられます。
このようなアルコール性肝障害を来すような問題のある飲酒をされている方が、日本には実に300万人もおられるというデータがあります。

二見いすず: そんなにたくさんのアルコール性肝障害の予備軍の方がおられるのですね。
これは決して他人事ではありませんね。
男性だと焼酎1日0.5合を目安に、また女性だとそれよりも少ない量を目安に、飲酒量をコントロールしていただき、アルコールを飲まない休肝日も設けていただきたいということです。

井戸章雄Dr: そうですね。
アルコールを大量に長期間飲みつづけることで、肝臓への障害も出ますし、アルコール性肝障害の患者さんは、アルコール依存症という心の病気を併発していることも少なくありません。

二見いすず: そうなんですね。

井戸章雄Dr: はい。
お酒は適量を守り、また、常習化しないように注意していただき、健やかな暮らしを守っていただきたいと思います。
ラジオをお聞きの方で、ちょっと飲みすぎているな、脂肪肝が心配だなという方は血液検査で簡単に調べることができますので、重症化する前にぜひ医療機関にご相談ください。

二見いすず: よくわかりました。
今月は、アルコール性肝障害についてお話をうかがいました。
お話は鹿児島県医師会の井戸章雄(いどあきお)ドクターでした。
4週にわたり、貴重なお話をありがとうございました。

井戸章雄Dr: ありがとうございました。