2014.6.14 第580回放送分 『肺がん』 ゲスト:佐藤雅美ドクター


二見いすず: 6月のドクタートークは、「肺がん」について鹿児島県医師会 佐藤雅美(さとうまさみ)ドクターにお話を伺っています。
佐藤さん、今週もよろしくお願いいたします。

佐藤雅美Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 本日は肺がんの検診についてお願いいたします。

佐藤雅美Dr: はい。
「肺がん」を見つけるためにおすすめしたい3つの検診方法があります。
一つ目は、レントゲンです。市町村や職場などで受けられている方も多いと思います。

二見いすず: はい。
私も毎年受けています…。

佐藤雅美Dr: そうですね。
このレントゲンでは、肺の奥にあるがんを見ることができます。
発見率は、10万人受けた場合、30〜50人です。

二見いすず: なるほど。

佐藤雅美Dr: 二つ目は、喀痰検査と言って、痰の中の癌細胞を見つける検査があります。
これは、太い気管支にできるがんを発見するもので、特に、喫煙指数が高い方は受けていただきたいと思います。

二見いすず: 喫煙指数とは何ですか?

佐藤雅美Dr: はい。
1日のタバコの本数に、喫煙を続けている年数をかけた数字です。
例えば、1日20本を30年吸い続けていると、600になります。
喫煙指数が600以上の方は、ぜひ喀痰検診を受けていただきたいと思います。

二見いすず: わかりました。

佐藤雅美Dr: そして、三つ目の検診が、低線量CTです。
レントゲンでは影が薄すぎて映らない初期のがんを発見できます。
この発見率は10万人中300〜600人となり、レントゲンの10倍にもなります。

二見いすず: それはすごいですね。
ただ、CTスキャンは、放射線の被ばくが気になります。

佐藤雅美Dr: はい。
一般的なCTに比べ、低線量CTでしたら、放射線の被ばくをできるだけ抑えるようにしてあります。
例えると胃の検診と同じ位の被ばく量ですので、肺がんを早期発見するために受けるメリットはあると思います。
ただし、40歳未満の女性の方は乳腺への被ばくの関係で注意が必要です。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。

佐藤雅美Dr: 低線量CTは、鹿児島県の場合、県が補助金で応援してくれています。
50歳以上の県民の方、肺がん治療中でない方、レントゲンで1年以内に異常を指摘された方でなければ、約1万円の検査を3150円の自己負担で受けることができます。
詳しくは県の健康増進課へ問い合わせるか、県のホームページでご確認ください。

二見いすず: それは大変ありがたいですね。
ぜひ早期発見を心掛けたいと思います。
お話は鹿児島県医師会 佐藤雅美(さとうまさみ)ドクターでした。
ありがとうございました。

佐藤雅美Dr: ありがとうございました。