2014.8.2 第587回放送分 『食道がん』 ゲスト:夏越祥次ドクター



二見いすず: 8月に入りました。
今月のドクタートークは、「食道がん」についてお送りいたします。
第一回目の本日は、鹿児島県医師会 夏越祥次(なつごえしょうじ)ドクターにお話を伺います。
夏越さん、よろしくお願いいたします。

夏越祥次Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: がんは、国民病とも言われるほどですが、その一つである食道がんとは、どういった病気なのでしょうか。

夏越祥次Dr: はい。
まず、食道という臓器について、ご説明いたします。
食道は、私たちが口に入れた食べ物が胃に届くまでに通過する、筒のような形をした臓器です。
場所としては、のど仏から胃までをつないでいます。

二見いすず: なるほど。

夏越祥次Dr: 食道がんは、この筒にできるがんのことです。

二見いすず: なるほど。
食道がんにかかると、どうなるのでしょうか。

夏越祥次Dr: はい。
早期発見された段階で治療しますと、完治する可能性があります。
ただし、進行してしまった場合、体のあちこちに転移してしまい、死に至る原因になることもあります。

二見いすず: そうですか。
やはり深刻な病気なのですね。
どのくらいの方が、食道がんになられるのでしょうか。

夏越祥次Dr: はい。
現在、鹿児島県内では、1年間に約200名の方が食道がんと診断されております。

二見いすず: なるほど。
どのような方が多いのでしょうか。

夏越祥次Dr: はい。
食道がんにかかるのは、約8割が男性で、特に50歳以上でお酒とたばこの習慣がある方に多いとされております。
お酒、たばこ単独の方も、リスクがあります。
お酒をのむと顔が赤くなる方は、特に注意が必要とされています。

二見いすず: なるほど。
では、自覚症状などありますか。

夏越祥次Dr: 早期の場合は自覚症状が出にくく、進行してくると、食べ物が通過する道に、異物ができているわけですから、ものが飲み込みにくい、胸やけがする、声が出にくいなどの症状が出てきます。

二見いすず: 早期発見するためには、やはり検診ですね。

夏越祥次Dr: その通りです。
早期食道がんはバリウム検査では発見されないこともありますので、お酒やたばこをのまれる方など、リスクのある方は、内視鏡検査をおすすめします。
最近は、精度が高まり、カメラでがんがどこまで深くなっているか、ということまで診ることができるようになりました。
早期発見のためにも、年1回の検診をお願いしたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の夏越祥次(なつごえしょうじ)ドクターでした。

夏越祥次Dr: ありがとうございました。