2014.8.16 第589回放送分 『食道がん』 ゲスト:夏越祥次ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「食道がん」についてお送りしております。
前回からは、「食道がん」の治療についてお送りしております。
今回は、「外科的治療」について、県医師会の夏越祥次(なつごえしょうじ)ドクターにお話いただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。

夏越祥次Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 食道がんの外科的治療とは、どのようなものになりますか。

夏越祥次Dr: はい。
転移のない早期がんの場合は、先週の放送でもありましたように、内視鏡的治療を行うことが多いのですが、ステージ1以降に進行している場合、外科的治療が検討されます。

二見いすず: はい。

夏越祥次Dr: 外科的治療とは、一般的には、右の胸を手術で開いて、食道を切って取り出し、胃袋を管に変え持ちあげて、のどとつなぐという手術を行います。

二見いすず: えっ、食道は取り出してしまうのですか。

夏越祥次Dr: そうなんです。
食道は、ゴムのように伸縮性のある臓器で、一部だけを取り除いて、元通りにつなぐということができないのです。
ですから、がんを外科的に治療する場合は、食道をまるごと取り出すということになります。

二見いすず: それは大変な手術ですね。

夏越祥次Dr: そうですね。
8時間ほどかかる大きな手術となります。

二見いすず: なるほど。
食道を取り出すとなると、その後の生活も変わってきそうですね。

夏越祥次Dr: そうですね。
やはり、胃袋から胃の管になりますので,食事をとりづらくなるケースが多く、食事の量が、通常手術前の6〜7割ほどになります。

二見いすず: よくわかりました。
手術の負担も大きく、その後の食生活も変わってくるということで、改めて食道がんの大変さを感じました。

夏越祥次Dr: そうですね。
手術については、最近の手術法で、多くは早期の方のみ適用なのですが、胸を開かず、鏡視下手術といって、穴を5つほど開けて行う負担の少ない方法もあります。
このことを考えても、早期で発見することもとても大切になります。

二見いすず: そうですね。
早期発見すれば、いろいろな選択肢があるということです。
ぜひ、検診を心掛けていただきたいと思います。

夏越祥次Dr: その通りです。
50歳以上の男性で、お酒、たばこをされる方はリスクがありますので、年に1回は内視鏡検診をおすすめいたします。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の夏越祥次(なつごえしょうじ)ドクターでした。

夏越祥次Dr: ありがとうございました。