二見いすず: | 今月のドクタートークは、「食道がん」についてお送りしております。 前回からは、「食道がん」の治療についてお送りしております。 今回は、「外科的治療」について、県医師会の夏越祥次(なつごえしょうじ)ドクターにお話いただきたいと思います。 よろしくお願いいたします。 |
夏越祥次Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 食道がんの外科的治療とは、どのようなものになりますか。 |
夏越祥次Dr: | はい。 転移のない早期がんの場合は、先週の放送でもありましたように、内視鏡的治療を行うことが多いのですが、ステージ1以降に進行している場合、外科的治療が検討されます。 |
二見いすず: | はい。 |
夏越祥次Dr: | 外科的治療とは、一般的には、右の胸を手術で開いて、食道を切って取り出し、胃袋を管に変え持ちあげて、のどとつなぐという手術を行います。 |
二見いすず: | えっ、食道は取り出してしまうのですか。 |
夏越祥次Dr: | そうなんです。 食道は、ゴムのように伸縮性のある臓器で、一部だけを取り除いて、元通りにつなぐということができないのです。 ですから、がんを外科的に治療する場合は、食道をまるごと取り出すということになります。 |
二見いすず: | それは大変な手術ですね。 |
夏越祥次Dr: | そうですね。 8時間ほどかかる大きな手術となります。 |
二見いすず: | なるほど。 食道を取り出すとなると、その後の生活も変わってきそうですね。 |
夏越祥次Dr: | そうですね。 やはり、胃袋から胃の管になりますので,食事をとりづらくなるケースが多く、食事の量が、通常手術前の6〜7割ほどになります。 |
二見いすず: | よくわかりました。 手術の負担も大きく、その後の食生活も変わってくるということで、改めて食道がんの大変さを感じました。 |
夏越祥次Dr: | そうですね。 手術については、最近の手術法で、多くは早期の方のみ適用なのですが、胸を開かず、鏡視下手術といって、穴を5つほど開けて行う負担の少ない方法もあります。 このことを考えても、早期で発見することもとても大切になります。 |
二見いすず: | そうですね。 早期発見すれば、いろいろな選択肢があるということです。 ぜひ、検診を心掛けていただきたいと思います。 |
夏越祥次Dr: | その通りです。 50歳以上の男性で、お酒、たばこをされる方はリスクがありますので、年に1回は内視鏡検診をおすすめいたします。 |
二見いすず: | よくわかりました。 お話は鹿児島県医師会の夏越祥次(なつごえしょうじ)ドクターでした。 |
夏越祥次Dr: | ありがとうございました。 |