2014.8.23 第590回放送分 『食道がん』 ゲスト:夏越祥次ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「食道がん」についてお送りしております。
今回は、先週に引き続き県医師会の夏越祥次(なつごえしょうじ)ドクターに、「化学・放射線療法」についてお話いただきたいと思います。
今週もよろしくお願いいたします。

夏越祥次Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 食道がんの化学・放射線療法とは、どのようなものになりますか。

夏越祥次Dr: はい。
化学・放射線療法とは、化学療法、つまり抗がん剤を使ったり、放射線を使う治療です。
この治療法は、早期がんにも進行がんにも適用されます。
患者さんの状態やご意向をふまえて、どの治療法をとるか、外科的治療も含めて検討します。
化学・放射線療法単独だけではなく、ほかの治療法と併用して行う場合もあります。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。
化学・放射線療法を選択されるのは、どのような場合でしょうか。

夏越祥次Dr: はい。
手術をしたくないという方が、化学・放射線療法を選択されることもあります。

二見いすず: なるほど。
外科治療は、大きな手術ということですから、やはり敬遠される方もおられるのですね。

夏越祥次Dr: そうですね。
ただし、化学・放射線療法を行った場合、がんが完全に消える可能性は約30%とされております。
つまり、残りの70%の方は、がんの一部が残ってしまう,あるいは逆に、効果が出ずに大きくなってしまうこともあります。

二見いすず: なるほど。

夏越祥次Dr: この30%の成功率をどのようにとらえるか、ということです。
外科的治療のように切ることはありませんが、化学・放射線療法も体への負担は同じくらいあります。
つまり、化学・放射線療法の可能性にかけてみて、残念な結果になった場合、あらためて外科治療を行う必要が出てくるということです。

二見いすず: なるほど。
とても難しい選択ですね。
ドクターにしっかりと相談し、治療を進めていかなくてはなりませんね。

夏越祥次Dr: そうですね。
また、化学・放射線療法が選択されるケースに、高齢者の方の場合があります。
高齢者になると、体力が低下し、外科手術に耐えられない場合がありますので、必然的に化学・放射線療法を行うということになります。

二見いすず: よくわかりました。
いずれにしても、がんは、命に関わる病気です。気になる方は、検診を心掛けていただきたいと思います。

夏越祥次Dr: 50歳以上の男性で、お酒、たばこをされる方は、特に食道がんのリスクがありますので、年に1回は内視鏡検診をおすすめいたします。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の夏越祥次(なつごえしょうじ)ドクターでした。

夏越祥次Dr: ありがとうございました。