二見いすず: | 今月のドクタートークは、「食道がん」についてお送りしております。 今回は、先週に引き続き県医師会の夏越祥次(なつごえしょうじ)ドクターに、「化学・放射線療法」についてお話いただきたいと思います。 今週もよろしくお願いいたします。 |
夏越祥次Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 食道がんの化学・放射線療法とは、どのようなものになりますか。 |
夏越祥次Dr: | はい。 化学・放射線療法とは、化学療法、つまり抗がん剤を使ったり、放射線を使う治療です。 この治療法は、早期がんにも進行がんにも適用されます。 患者さんの状態やご意向をふまえて、どの治療法をとるか、外科的治療も含めて検討します。 化学・放射線療法単独だけではなく、ほかの治療法と併用して行う場合もあります。 |
二見いすず: | なるほど。 よくわかりました。 化学・放射線療法を選択されるのは、どのような場合でしょうか。 |
夏越祥次Dr: | はい。 手術をしたくないという方が、化学・放射線療法を選択されることもあります。 |
二見いすず: | なるほど。 外科治療は、大きな手術ということですから、やはり敬遠される方もおられるのですね。 |
夏越祥次Dr: | そうですね。 ただし、化学・放射線療法を行った場合、がんが完全に消える可能性は約30%とされております。 つまり、残りの70%の方は、がんの一部が残ってしまう,あるいは逆に、効果が出ずに大きくなってしまうこともあります。 |
二見いすず: | なるほど。 |
夏越祥次Dr: | この30%の成功率をどのようにとらえるか、ということです。 外科的治療のように切ることはありませんが、化学・放射線療法も体への負担は同じくらいあります。 つまり、化学・放射線療法の可能性にかけてみて、残念な結果になった場合、あらためて外科治療を行う必要が出てくるということです。 |
二見いすず: | なるほど。 とても難しい選択ですね。 ドクターにしっかりと相談し、治療を進めていかなくてはなりませんね。 |
夏越祥次Dr: | そうですね。 また、化学・放射線療法が選択されるケースに、高齢者の方の場合があります。 高齢者になると、体力が低下し、外科手術に耐えられない場合がありますので、必然的に化学・放射線療法を行うということになります。 |
二見いすず: | よくわかりました。 いずれにしても、がんは、命に関わる病気です。気になる方は、検診を心掛けていただきたいと思います。 |
夏越祥次Dr: | 50歳以上の男性で、お酒、たばこをされる方は、特に食道がんのリスクがありますので、年に1回は内視鏡検診をおすすめいたします。 |
二見いすず: | よくわかりました。 お話は鹿児島県医師会の夏越祥次(なつごえしょうじ)ドクターでした。 |
夏越祥次Dr: | ありがとうございました。 |