二見いすず: | 今回のドクタートークは、先週までの「食道がん」のお話から、食道関連として「逆流性食道炎」についてお送りいたします。 今回は、県医師会の松本正隆(まつもとまさたか)ドクターに伺います。 よろしくお願いいたします。 |
松本正隆Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 「逆流性食道炎」はどういった病気なのでしょうか。 |
松本正隆Dr: | はい。 胃の内容物が食道に逆流することによって、不快な症状や合併症が引き起こされた状態のことを言います。 |
二見いすず: | 不快な症状と言いますと、具体的にはどのようなものでしょうか。 |
松本正隆Dr: | はい。 胸やけ症状、逆流感を感じるという代表的な症状がありますが、ほかに、咳が止まらない、特に夜寝たときに咳が出る、のどが締め付けられるような痛みがある、胸が痛いなどの症状が出る場合もあります。 |
二見いすず: | せきやのどの痛みの原因が、逆流性食道炎という可能性もあるのですね。 驚きました。 |
松本正隆Dr: | そうですね。 そういった症状がありましたら、医療機関にご相談ください。 |
二見いすず: | わかりました。 どういった方がなりやすいのでしょうか。 |
松本正隆Dr: | はい。 男性では中年以降、女性では高齢者、とくに腰が曲がっている方には多いと言われています。 ほかにも、食道裂孔ヘルニアの方、肥満の方もなりやすい傾向があります。 |
二見いすず: | わかりました。 では、逆流性食道炎はどのように診断するのでしょうか。 |
松本正隆Dr: | はい。 通常、食道や胃の内視鏡検査で、潰瘍も含めた、びらんなどの粘膜障害として観察されます。 |
二見いすず: | なるほど。 |
松本正隆Dr: | ただし、逆流性食道炎以外の胃食道逆流症、たとえば、「非びらん性胃食道逆流症」のような粘膜障害がないにもかかわらず、同じような症状を訴える方もおられます。 |
二見いすず: | よくわかりました。 治療はどのようなものですか。 |
松本正隆Dr: | はい。 基本的には、胃酸の分泌を抑える薬で、食道の粘膜を保護する薬や胃酸を中和する薬、胃の運動を促進する薬を一緒に服用することもあります。 薬物治療の難しい患者様などに外科的治療が行われることもあります。 |
二見いすず: | よく分かりました。 |
松本正隆Dr: | 日常生活では、食べ過ぎないこと、脂っこいものを過剰にとらない、食べてすぐに横にならない、寝るときに上半身を高めにすることなどを気を付ければ、軽減することがあります。 |
二見いすず: | よくわかりました。 お話は鹿児島県医師会の松本正隆(まつもとまさたか)ドクターでした。 |
松本正隆Dr: | ありがとうございました。 |