二見いすず: 9月に入りました。
今月のドクタートークは、「肺炎」について、鹿児島県医師会 柳正和(やなぎまさかず)ドクターにお話を伺います。
柳さん、よろしくお願いいたします。

柳正和Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: まず、「肺炎」について、あらためてどういう病気なのか、教えていただけますか?

柳正和Dr: はい。
「肺炎」は、主に細菌やウイルスが肺に感染し、炎症を起こす病気です。
現在、がん、心臓病に続いて日本人の死亡原因の第3位になっています。
しかも、「肺炎」により亡くなる方の95%が65歳以上なのです。

二見いすず: なるほど。
「肺炎」は特に高齢者に多い病気なのですね。

柳正和Dr: はい。
「肺炎」の原因となる細菌やウイルスは、人の体や日常の生活の場に存在しています。
健康な人であれば細菌やウイルスを体内から排除することができますが、病気や体力の低下により免疫力が弱まっていると感染を起こしやすく、「肺炎」が重症化しやすいのです。

二見いすず: 免疫力が下がった状態だと「肺炎」になりやすいのですね。

柳正和Dr: そのとおりです。
ですから体力が衰えがちな65歳以上の高齢者の方や、糖尿病、心臓病などの持病のある方、また、日常生活でストレスが多い方も注意が必要です。

二見いすず: では、「肺炎」にかかると、どのような症状が出るのでしょうか。

柳正和Dr: 「肺炎」の主な症状には、咳やたんが出る、息苦しい、胸が痛いといった呼吸器の症状と、発熱、寒気、倦怠感などの全身症状があります。
これらの症状が少なくとも1週間以上続く場合は、肺炎の疑いがあります。

二見いすず: 風邪やインフルエンザの症状に似ているようですよね。

柳正和Dr: そうですね。
ただ「肺炎」の場合、咳やたんに普通の風邪とは異なる症状があります。
例えば、咳が日増しに強くなる、たんに色やにおいがあるという場合は、早めに医療機関を受診してください。

二見いすず: わかりました。
では、医療機関ではどのような検査を行うのでしょうか。

柳正和Dr: まず、病院では患者さんの症状を聞いたり、胸の音を聴くなどの診察から行います。
肺炎を疑われる場合、胸部レントゲン、CTによる画像診断、血液検査などを実施し、病原菌の検索も行います。
肺炎は決して特殊な病気ではありませんので、かかりつけの内科や外科、小児科でも検査を受けられます。

二見いすず: よくわかりました。
来週は治療について詳しく伺います。
お話は鹿児島県医師会 柳正和(やなぎまさかず)ドクターでした。
ありがとうございました。

柳正和Dr: ありがとうございました。