二見いすず: 今月のドクタートークは、「肺炎」について、鹿児島県医師会 柳正和(やなぎまさかず)ドクターにお話を伺っています。
柳さん、今週もよろしくお願いいたします。

柳正和Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 本日は、「肺炎」の診断、そして治療についてお願いいたします。

柳正和Dr: 細菌やウイルスが原因の「肺炎」は、治療が遅れると非常に重症化しやすくなります。
特に高齢者や、内臓、呼吸器などに持病のある方は「肺炎」になりやすく、感染した場合、治りにくいという傾向にあります。

二見いすず: 「肺炎」も早期診断・早期治療が大変大切なのですね。

柳正和Dr: そのとおりです。
「肺炎」と診断された場合、重症度によって治療法が変わります。
診断の際は、重症かそうでないかを判定するいくつかの項目があり、まず、男性は70歳以上、女性は75歳以上である場合はこの時点で軽症ではない可能性があります。

二見いすず: そうなんですね。

柳正和Dr: はい。
あとは脱水症状、酸素不足、意識障害、血圧の低下の有無を判定し、ひとつも当てはまらなければ軽症で外来通院による治療が可能です。
もしひとつでも当てはまれば、入院し、しっかりとした治療を受けるのがおすすめです。

二見いすず: わかりました。
具体的にどのような治療を行うのでしょうか。

柳正和Dr: 「肺炎」を起こした病原菌に合わせた抗菌薬による治療が中心になります。
もちろん、重症度によって内服薬と注射などを併用しますが、ここで大切なことはご自身の自覚症状と実際の「肺炎」の症状、重症度は必ずしも一致しないということです。

二見いすず: それはどういうことなのでしょうか。

柳正和Dr: 例えば、自己判断で薬を飲んだり、飲まなかったりするのは非常に危険です。
特に高齢者の肺炎は、くすぶり型肺炎といって、いったん回復したように見える、また回復したものの、すぐにぶり返すことがよくあります。

二見いすず: なるほど。
自分勝手な判断で治療を中断するのは非常に危険なことなのですね。

柳正和Dr: はい。
そのとおりです。
もう大丈夫だと医療機関が判断するまで治療を続けてください。
また、治療中は熱やたんが出ることで脱水症状になりやすいので、水分と栄養補給を心掛け、体を冷やさないようにして十分な休養をとってください。

二見いすず: よくわかりました。
肺炎の治療法についてお話を伺いました。
次回は予防法について詳しく伺います。
お話は鹿児島県医師会 柳正和(やなぎまさかず)ドクターでした。
ありがとうございました。

柳正和Dr: ありがとうございました。