二見いすず: 今月のドクタートークは「肺炎」について、鹿児島県医師会 柳正和(やなぎまさかず)ドクターにお話を伺っています。
柳さん、よろしくお願いいたします。

柳正和Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、肺炎も早期診断・早期治療が大切だということをお伺いしましたが、今週は肺炎を予防するために、まずは日常生活で気を付けておきたいことをお話いただけますか。

柳正和Dr: そうですね。
細菌やウイルスの感染による「肺炎」を考えると、まずは病原菌の侵入を防ぐため、うがい、手洗い、マスクの着用を心掛けてください。
菌の種類によっては、乾燥したところで感染しやすいので、室内の湿度は50〜60%ほどに保ち、エアコンを付けっぱなしにして寝るのは避けてください。

二見いすず: 暑いこの時期は特に気を付けておきたいですね。

柳正和Dr: はい。
それから高齢者の方ですと、食べ物を飲み込む力や咳き込む力が衰えてきますので、食べ物や胃内容物、口腔内常在菌を誤って飲み込んでしまうことにより、肺炎を誘発するいわゆる誤嚥性肺炎が増えています。
中でも特に脳卒中など脳疾患の経験がある方は、誤嚥の予防に努め、食事にも気を付けていただきたいです。

二見いすず: わかりました。
飲み込む力や咳き込む力が衰えたことが原因となる肺炎もあるのですね。

柳正和Dr: はい。
他にも口の中の雑菌が引き金になる「肺炎」もありますので、口腔ケアも大切です。
歯磨きや歯周病の治療を行うことも「肺炎」の予防につながります。

二見いすず: 他に気を付けておきたいことはありますか?

柳正和Dr: たばこを吸っている方は、のどや気管、肺に影響を与えるのはもちろん、免疫力低下の原因にもなりますので禁煙をおすすめします。

二見いすず: 近年、言われておりますPM2.5ですが、肺炎に影響はあるのでしょうか。

柳正和Dr: PM2.5については、いまのところ肺炎との因果関係は確認されていません。
ただ、ぜんそくや気管支炎を誘発するため、そこから肺炎につながる可能性がありますので、特に高齢者の方々は、濃度の高い日は外出を控えるなど注意していただきたいです。

二見いすず: 前回、免疫力が下がると肺炎に感染しやすくなると伺いましたが、予防法はありますか?

柳正和Dr: 免疫力を下げない3つのポイントは、バランスのいい食事、うっすら汗をかくぐらいの運動、クヨクヨせず笑って過ごすことです。
この3つは新陳代謝を高めるとともに、ストレスの発散にもなりますので、結果的に抵抗力、免疫力をアップします。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会 柳正和(やなぎまさかず)ドクターでした。
柳さん、ありがとうございました。

柳正和Dr: ありがとうございました。