二見いすず: ドクタートークは、「肺炎」について鹿児島県医師会 柳正和(やなぎまさかず)ドクターにお話を伺っています。
柳さん、今日もよろしくお願いいたします。

柳正和Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 最終日の今日は「肺炎」の予防接種についてお願いします。

柳正和Dr: はい。
「肺炎」予防のためにできることのひとつに、予防接種があります。
残念ながら今のところすべての「肺炎」を予防できるワクチンはないのですが、「肺炎」の原因として最も多い肺炎球菌を予防できる肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンが代表的です。

二見いすず: では、まず肺炎球菌ワクチンについて教えてください。

柳正和Dr: 肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されているのは、65歳以上の方、老人ホームなど長期療養施設で集団生活を送っている方、慢性の持病をお持ちの方です。
もちろん、それ以外の方も接種してかまいません。
肺炎球菌ワクチンを打つと絶対に肺炎にならないというわけではありませんが、かかりにくくなる、またはかかったとしても重症化しにくくなります。

二見いすず: わかりました。
ではどんな時に接種すればいいのでしょうか。

柳正和Dr: 肺炎球菌ワクチンの接種は、一年を通していつでも可能です。
成人の場合、一度接種すると5年間は有効なので、5年以上間隔を空けて接種してください。
小児用、乳児用のワクチンもありますが、大人と間隔などが違いますので、かかりつけの小児科にご相談ください。

二見いすず: インフルエンザワクチンはいかがでしょうか。

柳正和Dr: インフルエンザワクチンも肺炎球菌ワクチンと同様、インフルエンザにかかりにくくなる、万が一かかったとしても重症化しにくくなります。
ただインフルエンザは毎年流行する型が変わりますので、毎年打つことをおすすめします。

二見いすず: 予防接種におすすめの時期はありますか。

柳正和Dr: 肺炎は一年中、発症する可能性のある病気です。
ただ風邪やインフルエンザをこじらせて起こる細菌性肺炎は、当然ながら風邪やインフルエンザの流行と連動しています。
季節の変わり目や冬場は特に気をつけておいた方がいいかもしれません。

二見いすず: わかりました。
それぞれ副反応などはあるのでしょうか。

柳正和Dr: まれに接種した部位が赤く腫れたり、熱を持って痛むことがありますが、通常2〜3日で治ります。熱っぽい、だるいなど体調に変化があった場合は、すぐに医療機関に相談してください。

二見いすず: よくわかりました。
4週にわたり、貴重なお話をありがとうございました。
お話は鹿児島県医師会 柳正和(やなぎまさかず)ドクターでした。

柳正和Dr: ありがとうございました。