2014.11.22 第603回放送分 『インフルエンザ』 ゲスト:湯浅由啓ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「インフルエンザ」についてお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の湯浅由啓(ゆあさよしひろ)ドクターです。
湯浅さん、今週もよろしくお願いいたします。

湯浅由啓Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、インフルエンザの診断について伺いました。
インフルエンザの主な症状としては、急に38℃以上の高熱が出ること、そして、倦怠感や筋肉痛などの全身症状が強く出るということでした。

湯浅由啓Dr: はい。
一般的には高熱を伴った全身症状が出るのですが、お子さんや高齢者の場合は、例えインフルエンザにかかっていても高熱が出ない場合もあります。

二見いすず: インフルエンザにかかっていても高熱が出ない時もあるのですね。

湯浅由啓Dr: インフルエンザの流行期で体調がおかしい時は、早めにかかりつけ医を受診してください。

二見いすず: よく分かりました。
では、インフルエンザに感染していると診断された場合、どのような治療を行うのでしょうか

湯浅由啓Dr: はい。
いまインフルエンザの薬は、カプセルや粉薬などの経口薬だけでなく、吸入薬、注射薬とさまざまなタイプが出ています。
医師と相談しながら、適切なものを選択してください。

二見いすず: インフルエンザのお薬といえば、タミフルがよく知られています。
過去にお子さんの異常行動との関連が取り沙汰されたことがありますが、現在はどのように考えられているのでしょうか。

湯浅由啓Dr: はい。
タミフルと異常行動の因果関係は明らかではないとされています。
ただし、現在、10歳以上の未成年の治療にはタミフルの使用を差し控えることとされています。

二見いすず: 分かりました。
インフルエンザと異常行動に関連性はあるのでしょうか。

湯浅由啓Dr: 実はタミフルを使用しない場合でも、インフルエンザにかかった子どもさんの異常行動が報告されております。
使った場合と差はないとされています。
また、思わぬ事故を防ぐためにもインフルエンザを発症してから最低2日間は大人がそばにいてあげてください。

二見いすず: なるほど、よく分かりました。
ほかにも治療の際に気をつけておきたいことはありますか。

湯浅由啓Dr: インフルエンザは発症してから5日間はウイルスが体内にとどまっていると考えられます。
ですから、早めに熱が下がったとしても、処方された期間中は薬を飲み続け、学校なども休むことが大事です。

二見いすず: なるほど。
自分勝手な判断で治療を中断してはいけないのですね。

湯浅由啓Dr: そうですね。
インフルエンザはきちんと治療すれば重症化するケースは少ないのですが、お子さんではまれに急性脳炎、脳症を、高齢者や免疫力の低下している人は肺炎等を併発する場合もありますので、注意が必要です。

二見いすず: そうなんですね。

湯浅由啓Dr: 重症化を防ぐ意味でも、インフルエンザの予防接種を受けることをおすすめいたします。

二見いすず: よく分かりました。
お話は鹿児島県医師会 湯浅由啓(ゆあさよしひろ)ドクターでした。
ありがとうございました。

湯浅由啓Dr: ありがとうございました。