2015.3.14 第619回放送分 『胃がん』 ゲスト:帆北修一ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「胃がん」について鹿児島県医師会の帆北修一(ほきたしゅういち)ドクターにお話を伺っております。
帆北さん、よろしくお願いいたします。

帆北修一Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は胃がんの症状、検査について、お話をお願いいたします。
まず、胃がんにはどのような症状があるのでしょうか。

帆北修一Dr: はい。
胃がんは早い段階で自覚症状が出ることは少なく、かなり進行しても無症状の場合があります。

二見いすず: 自覚症状が出にくいというのは怖いですね。
例えば、胃炎や胃潰瘍と同様の症状が胃がんでも見られるということはあるのでしょうか。

帆北修一Dr: 代表的な症状としては、おなかの張る感じ、胃の痛み、不快感、違和感、胸焼け、吐き気、食欲不振などがあります。
しかし、これらの症状は胃がん特有の症状では無く、胃炎や胃潰瘍の場合でも起こります。

二見いすず: 検査を受けなければ確定診断はできない、ということでしょうか。

帆北修一Dr: はい、その通りです。
早期胃がんの場合は、多くの患者さんが検診によって発見されています。
まず医療機関を受診し、検査を受けることが重要です。

二見いすず: どのようなきっかけで胃がんが見つかる方が多いのでしょうか。

帆北修一Dr: 胃炎や胃潰瘍で受診された場合や、検診目的での内視鏡の検査などで、偶然に早期胃がんが発見されることがあります。
また、貧血や黒色の便が発見のきっかけになる場合もあります。

二見いすず: 他にも注意しておきたい症状はありますか。

帆北修一Dr: 食事が喉を通らない、つかえる、体重が著しく減る、といった症状は、進行胃がんの可能性もあるため、早めに医療機関を受診し、検査を受ける必要があります。

二見いすず: わかりました。
では、胃がんの検査はどのようなものなのでしょうか。

帆北修一Dr: 胃がんの一般的な検査方法は「胃X線検査」「胃内視鏡検査」です。
補助的に血液検査による「ペプシノゲン検査」、「ヘリコバクター・ピロリ抗体検査」があります。

二見いすず: さまざまな検査で、総合的に診断するのですね。

帆北修一Dr: はい。
その通りです。
胃がんであることが分かると、さらに検査をして、がんの進行程度を病期すなわち胃がんの時期あるいはステージに分けます。
この病期すなわち胃がんの時期は、がんが胃の壁の中にどのくらい深く潜っているか、リンパ節や別の臓器への転移があるかどうかによって決まります。

二見いすず: 効果的な治療法を選択するためには、多くの検査が必要だということですね。

帆北修一Dr: 全身の症状を調べたり、病期を把握する検査を行うことは治療の方針を決めるために、とても重要です。
検査内容について疑問や不安があれば、遠慮せずに医師や看護師に相談してみてください。

二見いすず: よく分かりました。
お話は鹿児島県医師会の帆北修一(ほきたしゅういち)ドクターでした。
帆北さん、ありがとうございました。

帆北修一Dr: ありがとうございました。