2015.4.4 第622回放送分 『大腸がん』 ゲスト:中馬 豊ドクター



二見いすず: 4月になりました。
今月のドクタートークは「大腸がん」について鹿児島県医師会の中馬豊(ちゅうまんゆたか)ドクターにお話をお伺いします。
中馬さん、よろしくお願いいたします。

中馬 豊Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 新年度を迎えて、地域や職場でがん検診が始まります。
あらためて、今月のテーマの「大腸がん」は、どのような病気なのか教えていただけますか。

中馬 豊Dr: はい。
大腸がんは長さ約1.5mの大腸の粘膜に発生するがんです。
日本人のがんの罹患数の中でも、男性は第3位、女性は第2位で、大腸がんは日本人にとって、最も身近ながんのひとつと言えます。

二見いすず: そうなんですね。
日本人のがん患者の中でも、大腸がんにかかる人は多いということですね。

中馬 豊Dr: はい。
大腸がんにかかる割合は、50歳代から増加しはじめ、高齢になるほど高くなります。

二見いすず: では、大腸がんにかかると、どのような症状があらわれるのでしょうか。

中馬 豊Dr: 大腸がんの発生の仕方には、2つのパターンがあると考えられています。
1つは大腸の粘膜にできた良性のポリープががんに変化する場合です。
そしてもう1つは、粘膜からがんが直接発生する場合です。

二見いすず: 2つのパターンがあるということなんですね。

中馬 豊Dr: 粘膜より深いところまでがんが広がっていないうちはいわゆる「早期がん」の段階です。
実は早期の大腸がんの場合、自覚症状はほとんどありません。
ある程度の大きさになると、血便、便秘、下痢などの便通異常、腹痛などの症状があらわれる場合があります。

二見いすず: 自覚症状がほとんどあらわれないというのは怖いですね。

中馬 豊Dr: また、進行大腸がんの症状として比較的多いのが血便ですが、痔核や裂肛、いわゆる「いぼ痔」や「切れ痔」の症状だと思い込んで、放置していた患者さんも少なからずいらっしゃいます。

二見いすず: なるほど。
これといった自覚症状がない場合でも、定期的に医療機関を受診して、検診を受けることが大切ですね。

中馬 豊Dr: はい、おっしゃる通りです。
がんは治らない怖い病気だと思われがちですが、大腸がんは早期の段階で治療を行えば、高い確率で治癒するがんです。

二見いすず: 見つかるのが早ければ早いほど、治る可能性も高くなるということですね。

中馬 豊Dr: はい。
早期に発見するために、特に40歳以上の方は年に一度大腸がん検診を受けることをおすすめします。

二見いすず: よく分かりました。
来週は大腸がん検診についてお話を詳しくうかがってまいります。
鹿児島県医師会の中馬豊(ちゅうまんゆたか)ドクターでした。
ありがとうございました。

中馬 豊Dr: ありがとうございました。