2015.4.11 第623回放送分 『大腸がん』 ゲスト:中馬 豊ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「大腸がん」について鹿児島県医師会の中馬豊(ちゅうまんゆたか)ドクターにお話を伺っております。
中馬さん、よろしくお願いいたします。

中馬 豊Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は「大腸がん」の早期発見の重要性についてお話をお伺いいたしました。
今週は大腸がん検診についてお願いいたします。

中馬 豊Dr: 大腸がん検診は、各市町村や職場が実施する集団検診に参加するか、病院や人間ドックに個人で申し込むことで受けられます。
いずれの場合も、大腸がん検診では、主に問診と便潜血検査を行います

二見いすず: はい。
まず、問診では、どのようなことを聞かれるのでしょうか。

中馬 豊Dr: 問診では、血便や下痢、便秘などといった、大腸がんの症状がすでにあらわれているかどうかを確認します。
また、家族の中に大腸がんの患者さんがいないか尋ねられる場合もあります。

二見いすず: では、もうひとつの便潜血検査とはどのような検査でしょうか。

中馬 豊Dr: がんやポリープなどの大腸疾患があると、便が通過する際の刺激によって出血することがあります。
この便に混じったわずかな血液を検査する方法が便潜血検査です。

二見いすず: この検査の前に食事制限などの準備が必要でしょうか。

中馬 豊Dr: 食事を制限したり、薬を飲んだりする必要はありません。
また、市町村や職場が実施する便潜血検査の自己負担額は通常1000円以下です。
他のがん検診と比較しても、大腸がん検診は負担が少なく受けやすい検査であると言えます。

二見いすず: わかりました。
大腸がん検診を受けると、どれくらいの期間で結果が出るのでしょうか。

中馬 豊Dr: 通常、数週間以内に結果を受け取ることができます。
便潜血検査で陽性という結果が出た場合は、さらに詳しく調べるため、精密検査を受ける必要があります。

二見いすず: これといった自覚症状がなくても、精密検査は本当に必要なのでしょうか。

中馬 豊Dr: 症状がない、元気だからといった理由で精密検査を受けないでいると、検査で見つかるはずのがんを放置してしまうことになりかねません。
自覚症状がなくても、便潜血検査で陽性の結果が出たら、必ず精密検査を受けてください。

二見いすず: よく分かりました。
自分の体は自分で守るという意識を持つことが大切ですね。

中馬 豊Dr: はい、おっしゃる通りです。
非常に残念なことに、鹿児島県は大腸がんの精密検査の受診率がまだまだ低いといわれています。
大腸がんは、早期発見、早期治療で治る可能性の高いがんですので、ぜひためらわずに検査を受けていただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
大腸がん検診、検査については、各市町村や専門の医療機関へお問い合わせください。
来週は治療についてうかがいます。
お話は鹿児島県医師会の中馬豊(ちゅうまんゆたか)ドクターでした。
ありがとうございました。

中馬 豊Dr: ありがとうございました。