2015.4.18 第624回放送分 『大腸がん』 ゲスト:中馬 豊ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「大腸がん」について鹿児島県医師会の中馬豊(ちゅうまんゆたか)ドクターにお話を伺ってまいります。
中馬さん、よろしくお願いいたします。

中馬 豊Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は大腸がん検診についてお話をお伺いいたしました。
今週は大腸がんの診断、そして治療についてお願いいたします。

中馬 豊Dr: 大腸がんが疑われると、がんのある部位やがんの広がりを調べるために、内視鏡検査、病理検査、CT検査などのさまざまな検査を行います。
一連の検査は、大腸がんの病期、すなわちステージを正しく診断し、適切な治療方針を立てるためにとても大切です。

二見いすず: なるほど。治療を始めるにあたって、まずはがんの進み具合を正確に知っておくことが必要なのですね。
では、大腸がんと診断された場合、どのような治療が行われるのでしょうか。

中馬 豊Dr: 大腸がんの主な治療法には、内視鏡治療、手術による外科治療、化学療法、放射線治療などがあります。
これらを組み合わせ、どのように治療するかは、 患者さんの状態やがんの進行度などによって判断します。

二見いすず: わかりました。
それではまず、内視鏡治療について教えてください。

中馬 豊Dr: 肛門から大腸内視鏡を挿入し、がんを切り取ります。
ごく早期の大腸がんであれば、内視鏡治療で完治が可能です。
切り取ったがんの病理所見により、追加の手術がすすめられる場合もあります。

二見いすず: 手術による外科治療はいかがでしょうか。

中馬 豊Dr: 進行大腸がんの治療は、手術による切除が基本です。
手術では、がんのある腸管と病巣周囲のリンパ節を切除します。
大腸がんはがんのある位置に応じて、切除範囲や切除法が異なるため、担当医の説明をよく聞くようにしてください。

二見いすず: 近年は、腹腔鏡による手術も増えているそうですね。

中馬 豊Dr: 腹腔鏡手術は、従来の開腹手術に比べて傷が小さくて回復が早いという利点があります。
しかし、新しい治療法なので、各施設の方針などにより実施の基準が異なります。
治療成績などを担当医に確認した上で検討するといいでしょう。

二見いすず: よく分かりました。
手術後の生活で注意すべきことはありますか?

中馬 豊Dr: 結腸がんの手術では、ほとんどの場合、術後の生活に大きな影響はありません。
しかし、直腸がんの手術では、排便習慣の変化や、排便・排尿機能、性機能の障害といった後遺症が起こる場合があります。
これらの症状は、半年から1年かけて、徐々に改善が期待できる場合もあるため、生活パターンを工夫し、上手に付き合っていく必要があります。

二見いすず: 食事についてはいかがでしょうか。

中馬 豊Dr: 食事制限は特にありません。
食べ過ぎず、バランスのいい食事や消化のいい食品をとるように心掛け、アルコールは飲み過ぎないようにする程度で問題ないと思います。

二見いすず: よく分かりました。
来週も引き続き、大腸がんの治療についてお伺いいたします。
お話は鹿児島県医師会の中馬豊(ちゅうまんゆたか)ドクターでした。
ありがとうございました。

中馬 豊Dr: ありがとうございました。