2015.5.30 第630回放送分 『認知症』 ゲスト:黒野 明日嗣ドクター


二見いすず: ドクタートークは「認知症」についてお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の黒野明日嗣(くろのあすつぐ)ドクターです。
黒野さん、今週もよろしくお願いいたします。

黒野明日嗣Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は認知症の患者さんには、家族や周囲の人のさりげない温かい声掛けが必要だと伺いました。

黒野明日嗣Dr: はい。
その通りです。

二見いすず: 高齢になるに従って、認知症の人の割合も増加するということでしたが、何か予防法はあるのでしょうか。

黒野明日嗣Dr: はい。
生活習慣病の対策が認知症の予防につながるといわれています。

二見いすず: そうなんですか。
生活習慣病の対策ですか。

黒野明日嗣Dr: 具体的には、野菜、果物、魚介類を中心とした食生活、定期的な運動習慣を身に付ける、タバコ、過度な飲酒、夜更かしは控えるなどが挙げられます。
また、糖尿病の方はアルツハイマー型認知症のリスクが高いといわれていますので、血糖のコントロールには特に気をつけていただきたいです。

二見いすず: なるほど。
糖尿病の人は特に注意が必要なのですね。

黒野明日嗣Dr: はい。
生活習慣病対策で認知症を予防しながら、早期発見・早期治療を心掛け、適切な治療で進行を遅らせたり、症状の改善に努めることが大切だと思います。

二見いすず: そして、一人で悩まずに、専門家に相談することも大切ですね。

黒野明日嗣Dr: はい。
その通りです。
鹿児島県には認知症疾患医療センターをはじめとして、認知症の専門医療相談機関があります。
ご家族に症状を感じたら、またご自分で何か気になることがあれば、早めにかかりつけ医や認知症専門機関に相談されることをおすすめします。

二見いすず: はい。
よく分かりました。

黒野明日嗣Dr: 超高齢化社会を迎え、鹿児島県でも「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」、こういった社会の実現を目指した取り組みが始まっています。

二見いすず: 年齢を重ねても、病気を持っていても、いつでも、どこでも、自分らしく暮らしたいという願いは、みんな同じですよね。

黒野明日嗣Dr: そうですね。
認知症は決して特別な病気ではありません。
恥じず、隠さず、ネットワークを広げることが、今後より重要になってくると思います。
家族がオープンにすれば、理解者や協力者がどこかできっと手を挙げてくれるはずです。

二見いすず: そうですよね。
一人で抱え込まずに、相談をして、共感し合い、情報を交換することが大きな支えになりますね。

黒野明日嗣Dr: はい、その通りです。
認知症になっても、地域の一員として暮らせる社会をどう築いていくのか、医師会、自治体、包括支援センターや施設が連携をとりながら、みんなで考えていきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
5週にわたり、貴重なお話をしていただきました。
鹿児島県医師会の黒野明日嗣(くろのあすつぐ)ドクターでした。
ありがとうございました。

黒野明日嗣Dr: ありがとうございました。