2015.6.13 第632回放送分 『ロコモティブシンドローム』 ゲスト:増田 吉彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「ロコモティブシンドローム」について、鹿児島県医師会の増田吉彦(ますだよしひこ)ドクターにお話を伺っております。
増田さん、今週もよろしくお願いいたします。

増田吉彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週はロコモティブシンドロームとは、運動器の障害により、立つ、歩くといった移動能力の低下をきたし、寝たきりや介護が必要になる危険度の高い状態だと伺いました。

増田吉彦Dr: はい。
その通りです。

二見いすず: では、今週はロコモティブシンドロームの原因や症状についてお話をお願いいたします。

増田吉彦Dr: はい。
ロコモティブシンドロームには3つの主な原因があります。
一つ目は加齢による筋力の低下、二つ目はやはり加齢によるバランス能力の低下、三つ目は運動器の疾患です。

二見いすず: 原因は加齢による筋力の低下、バランス能力の低下、運動器の疾患ですね。
では、運動器の疾患にはどのような病気があるのでしょうか。

増田吉彦Dr: 骨が弱くなり骨折しやすくなる「骨粗しょう症」、関節軟骨のすり減りにより曲げ伸ばしが十分できなくなったり、痛みを生じる「変形性関節症」、神経が圧迫され、足腰のしびれや痛みを引き起こす「脊柱管狭窄症」などがあります。

二見いすず: わかりました。
足腰や膝に痛みがあると、歩くことさえつらく感じますよね。

増田吉彦Dr: はい。
思うように体が動かせなくなると、外出がおっくうになったり、あるいは出来なくなったりして、さらに歩かない、動かなくなるという悪循環が生じます。

二見いすず: そうですね。
悪循環が生じたまま、何もしなければ、ロコモティブシンドロームから寝たきり、要介護状態になる危険性が高まりますね。

増田吉彦Dr: はい、その通りです。
健康な状態から要支援・要介護にいたるまで、骨や筋肉など運動器の衰えはひそかに進行します。
もし今、足腰に痛みや違和感を感じていたら、ぜひお近くの整形外科医にご相談ください。

二見いすず: 少しずつ進行する運動器の衰えを見逃さないことが大切ですね。
では、実際、ロコモティブシンドロームになると、どのような症状があらわれるのでしょうか。

増田吉彦Dr: 片脚立ちで靴下がはけない、家の中でつまずいたり滑ったりする、15分くらい続けて歩けないなどの症状が1つでも当てはまる場合はロコモティブシンドロームである可能性があります。

二見いすず: なるほど。
年齢に関わらず、思い当たる症状が1つでもあれば、医療機関を受診した方がいいのでしょうか。

増田吉彦Dr: 適切な対処の有無と日常の生活習慣によって、立つ、歩くといった移動能力は大きく変わります。
年齢に関わらず、ロコモティブシンドロームの症状がある場合は、ぜひお近くの整形外科を受診してください。

二見いすず: よく分かりました。
足腰に痛みや違和感を感じている方、そしてロコモティブシンドロームの症状が疑われる方は、ぜひお近くの整形外科を受診なさってください。
お話は鹿児島県医師会の増田吉彦(ますだよしひこ)ドクターでした。
ありがとうございました。

増田吉彦Dr: ありがとうございました。