二見いすず: | 7月になりました。 今月のドクタートークは「スポーツ障害」について、鹿児島県医師会の小倉雅(おぐらただし)ドクターにお話を伺ってまいります。 小倉さん、よろしくお願いいたします。 |
小倉 雅Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 毎年夏になりますと甲子園やインターハイなどの学生スポーツや、 サッカーをはじめとしたプロスポーツチームの活躍が話題になります。 スポーツは健康と密接な関係があるものですが、一方で気をつけなければいけないのがケガや故障ですね。 あらためまして、「スポーツ障害」とはどのようなものなのでしょうか。 |
小倉 雅Dr: | スポーツによる体の不調は、大きく2種類に分けることができます。 まず、転倒や衝突などによって起こる捻挫や打撲、骨折など、一回の大きな外力によって起こるのがスポーツ外傷です。 意外と自己判断をして、骨折と気付かないことがあります。 |
二見いすず: | そうなんですね。 |
小倉 雅Dr: | 一方、スポーツ障害としては成人の場合、テニス肘等の靭帯損傷があります。 また、子どもに多く見られるスポーツ障害としては、例えば少年野球のリトルリーグショルダーや膝のオスグッド氏病などがあります。 これは慢性的に繰り返し使うことによって少しずつ傷んでくる障害です。 |
二見いすず: | なるほど。 捻挫、打撲、骨折などのいわゆるケガがスポーツ外傷、長期にわたって体が少しずつダメージを受けて起こる故障がスポーツ障害ということですね。 |
小倉 雅Dr: | はい、その通りです。 スポーツで負荷のかかる部位に痛みや腫れが出ている場合は、スポーツ外傷、スポーツ障害のいずれかが起こっている可能性があります。 |
二見いすず: | 例えば、野球選手にはどのようなケガが起こる可能性があるのでしょうか。 |
小倉 雅Dr: | 野球では突き指による骨折やスライディングによる手首の骨折、靭帯の損傷などが見られます。 大リーグ・ニューヨークヤンキースの田中将大投手は、右肘の内側靭帯を部分断裂しましたが、手術をせずに保存的な治療で割合と早く復帰しています。 |
二見いすず: | なるほど。 では、サッカーではいかがでしょうか。 |
小倉 雅Dr: | 日本代表の本田圭佑選手は膝の半月板手術をしました。 バレーボールやサッカーなどジャンプを繰り返したり、方向を変えたりする競技では半月板損傷や前十字靭帯損傷を起こすことが多いです。 |
二見いすず: | 捻挫だけと思われるようなケガの場合でも専門医を早めに受診した方がいいのでしょうか。 |
小倉 雅Dr: | そうです。 皆さんがよく経験する足首の捻挫もテーピングだけで放っておくと靭帯損傷が見逃され、関節が変形してしまうこともあります。 安易に自己判断せず、ケガをしたら早めに受診して詳しい検査をしていただきたいと思います。 |
二見いすず: | よく分かりました。 来週はスポーツ障害の症状について伺ってまいります。 お話は鹿児島県医師会の小倉雅(おぐらただし)ドクターでした。 どうもありがとうございました。 |
小倉 雅Dr: | ありがとうございました。 |