2015.7.11 第636回放送分 『スポーツ障害』 ゲスト:小倉 雅ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「スポーツ障害」について、鹿児島県医師会の小倉雅(おぐらただし)ドクターにお話を伺っております。
小倉さん、今週もよろしくお願いいたします。

小倉 雅Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週はスポーツによって起こる体の不調には、スポーツ外傷とスポーツ障害の2種類があると伺いました。

小倉 雅Dr: はい。
その通りです。

二見いすず: 今週はスポーツ障害の原因や症状について、詳しく教えていただけますでしょうか。

小倉 雅Dr: スポーツ障害は、スポーツによって繰り返し体に過度な負担がかかることによって、痛みなどの慢性的な症状が現れるものです。
また、基礎体力の不足やフォームなどの技術的な未熟さも原因となることがあります。

二見いすず: 体の使いすぎだけでなく、基礎体力の不足や技術的な未熟さもスポーツ障害を引き起こす原因となるのですね。

小倉 雅Dr: はい。
子どもと成人では違いがあります。
成長期は骨が未成熟で一般的に言われている成長軟骨が力学的に弱いので、無理をするとスポーツ障害が起きやすいのです。

二見いすず: そうなんですね。
成長期のスポーツ障害にはどのような症状があるのでしょうか。

小倉 雅Dr: 最初の症状は、その部位の痛みです。
小学4、5年生から中学生までの成長期の子どもたちは骨が成長する軟骨部分がまだ弱く、骨端線付近の障害を起こすと言われています。
具体的には骨端線離開と言いまして、骨がズレてくることがあります。

二見いすず: そうなんですね。
子どもは過度なスポーツによって、軟骨部分の障害を引き起こすのですね。

小倉 雅Dr: はい。
成長期の子どもの障害はそのまま放っておくと、後遺症が残ってスポーツが出来なくなるケースもあります。
最近ではあまり見かけなくなりましたが、かつては甲子園で肩を使い過ぎて、野球が続けられなくなった選手もいました。

二見いすず: お子さんの将来のためにも、成長期の障害は特に注意深く見守ることが必要です。
他にも気をつけておきたいスポーツ障害の症状はありますか?

小倉 雅Dr: 成長期を過ぎれば、筋肉や靭帯の障害が増えます。
例えば、フィギュアスケートで活躍した高橋大輔選手は、前十字靭帯損傷を負いましたが、靭帯再建手術を行い、オリンピックで銅メダルを獲得しました。
素晴らしいことだと思います。

二見いすず: スポーツでケガをしたら、専門医を受診して、適切な治療を受けることが大切ですよね。

小倉 雅Dr: はい。
その通りです。
治療は早ければ早いほど、治りも早くなり、後遺症も少なくなると考えてください。

二見いすず: よく分かりました。
来週はスポーツ障害の治療について詳しく伺います。
お話は鹿児島県医師会の小倉雅(おぐらただし)ドクターでした。
どうもありがとうございました。

小倉 雅Dr: ありがとうございました。