2015.7.18 第637回放送分 『スポーツ障害』 ゲスト:小倉 雅ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「スポーツ障害」について、鹿児島県医師会の小倉雅(おぐらただし)ドクターにお話を伺っております。
小倉さん、今週もよろしくお願いいたします。

小倉 雅Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週はスポーツ障害の原因や症状についてお伺いいたしました。
今週はスポーツ障害の治療についてお話をお願いいたします。

小倉 雅Dr: はい。
一般的なケガ、いわゆるスポーツ外傷に対しては、まず手術的をしない保存的な治療と手術をする治療とに大きく分けられます。
ここでは保存的な手術をしない治療についてお話しします。
まずその場に救護所などがあれば傷の処置をしてもらいましょう。
スポーツによるケガの応急処置はRICE(ライス)が原則です。

二見いすず: 応急処置のRICE(ライス)とはどのような内容でしょうか。

小倉 雅Dr: Rは「rest」安静、Iは「ice」冷却、Cは「compression」包帯などでの圧迫、Eは「elevation」挙上、ケガしたところを心臓よりも高い位置に保つことです。

二見いすず: なるほど。
応急処置は、RICE(ライス)、安静、冷却、圧迫、挙上ということですね。

小倉 雅Dr: 応急処置によって重篤な症状に陥ることを防ぐことができます。
しかし、応急処置は治療ではありません。
自己判断をせずに、できるだけ早く整形外科を受診してください。

二見いすず: 整形外科ではどのような検査を受けるのでしょうか。

小倉 雅Dr: レントゲンやエコー、MRIなどを用いて正確な診断を行います。
多少の待ち時間があっても、適切な診断が初期治療では必須です。
場合によっては手術が必要となることもあります。

二見いすず: よく分かりました。
安易な自己判断は禁物だということです。

小倉 雅Dr: 痛みがあるということは何らかの事象が起きているということです。
よく、膝に水がたまっている、でもたいしたことではないのではないかと自己判断される方がいらっしゃいますが、半月板損傷や靭帯損傷が隠れている可能性があります。

二見いすず: 痛みはやはり体からのサインなんですよね。

小倉 雅Dr: はい、その通りです。
例えば、野球の投球動作などで過度の負担が肘にかかって痛みが出ることがあります。
そんな時はしばらく練習を休むという判断も大切です。
そのような場合、肘に痛みがあるだけならジョギングや筋力トレーニングは行ってもかまいません。

二見いすず: 休む勇気も必要でしょうし、何か気になることがあれば、整形外科の受診が鉄則ですね。

小倉 雅Dr: しばらくたっても痛みがひかない場合は、整形外科を再受診したり、症状によっては、セカンドオピニオンといって、他の先生を紹介してもらうこともできます。

二見いすず: スポーツによる体の不調やケガで痛みがある場合は我慢せず、必ず整形外科を受診なさってください。
来週はスポーツ障害の予防について詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の小倉雅(おぐらただし)ドクターでした。
どうもありがとうございました。

小倉 雅Dr: ありがとうございました。