2015.8.8 第640回放送分 『かかりつけ医』 ゲスト:金子 洋一ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「かかりつけ医」について、鹿児島県医師会副会長の金子洋一(かねこよういち)ドクターにお話を伺ってまいります。
金子さん、今週もよろしくお願いいたします。

金子洋一Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、全国に先駆けて、鹿児島県医師会が かかりつけ医の認定制度を開始されたと伺いました。
認定かかりつけ医は、鹿児島県医師会によって、かかりつけ医にふさわしいと、評価・認定された医師だということでしたね。

金子洋一Dr: はい。
その通りです。

二見いすず: 今週は、認定かかりつけ医の役割について、詳しく教えていただけますでしょうか。

金子洋一Dr: はい。
かかりつけ医の役割には、医療的な役割と社会的な役割の2つがあります。

二見いすず: 医療的役割と社会的役割ですね。
ではまず、医療的役割について教えてください。

金子洋一Dr: 日常行う診療においては、患者さんの生活背景を把握し、自己の専門性に基づき、医療の継続性を重視した適切な診療を行うことが求められます。
また、自己の範疇を超えるさまざまな診療科にわたる広い分野においては、地域における連携を駆使して、的確な医療機関への紹介を行い、患者さんにとって最良の解決策を提供いたします。

二見いすず: 患者さんの身近な医師として、適切な診療を行い、必要があれば、専門医などとのつなぎの役も果たすということですね。

金子洋一Dr: はい。
自らの守備範囲を医師側の都合で規定せず、患者さんのもちかける保健、医療、福祉のさまざまな問題に、なんでも相談できる医師として、全人的な視点から対応することが求められます。

二見いすず: よく分かりました。
一方、社会的役割はいかがでしょうか。

金子洋一Dr: 日常行う診療の他に、地域住民との信頼関係の構築が重要です。
健康相談、健診・がん検診、母子保健、学校保健、産業保健、地域保健等の地域における医療を取り巻く社会的な活動、あるいは行政活動に積極的に参加し、保健・介護・福祉関係者との連携をはかります。
また、地域の高齢者が少しでも長く地域で生活できるよう、在宅医療にも貢献します。

二見いすず: なるほど。保健・介護・福祉関係者との連携もかかりつけ医の役割なんですね。

金子洋一Dr: 医療と介護の連携では、かかりつけ医がキーパーソンの一人になります。
地域医療の中心を担う存在として、かかりつけ医の役割は今後ますます重要になると考えられています。

二見いすず: よく分かりました。
来週は、かかりつけ医を利用するメリットについて詳しく伺ってまいります。
お話は、鹿児島県医師会副会長の金子洋一(かねこよういち)ドクターでした。
どうもありがとうございました。

金子洋一Dr: ありがとうございました。