2015.10.17 第650回放送分 『眼の病気』 ゲスト:鵜木 一彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、10月10日の目の愛護デーにちなみ、「眼の病気」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の鵜木一彦(うのきかずひこ)ドクターです。
鵜木さん、今週もよろしくお願いいたします。

鵜木一彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今月はさまざまな眼の病気と目薬についてお話をお伺いしております。
今週は眼の病気の中でもよく耳にいたします結膜炎と目薬について、お願いいたします。

鵜木一彦Dr: はい。
まず、結膜炎とは、白目とまぶたの裏側を覆っている透明の膜を指します。
結膜炎とはこの結膜が炎症を起こす病気で、大きく分けると、感染による結膜炎とアレルギーによる結膜炎の2つに分けられています。

二見いすず: 感染性の結膜炎とアレルギー性の結膜炎の2種類があるということですね。
では、まず感染性の結膜炎とはどのような病気なのでしょうか。

鵜木一彦Dr: 感染性結膜炎の中でよく見られるのが、細菌による結膜炎とウイルスによる結膜炎です。
細菌による結膜炎は、細菌感染によって、目の充血、目やになどの症状が出ます。
細菌に対しては、有効な点眼薬があるので、一定期間きちんと点眼していただければ比較的短期間で治癒することができます。
一方、ウイルス性結膜炎は、ウイルスの感染によって引き起こされる結膜炎です。
よく見られるのは、一般に「はやり目」と呼ばれる流行性角結膜炎などがあります。
アデノウイルスの感染症です。
この結膜炎は角膜にも障害が起こり、まぶしいとか、視力低下が起こることもあります。
ウイルス性結膜炎に対しては、残念ながら今のところ特効薬はありませんので、通常は、炎症を抑え、細菌による二次感染を防ぐための点眼薬で治療します。

二見いすず: 一方、アレルギー性結膜炎はどのような病気なのでしょうか。

鵜木一彦Dr: アレルギー反応の原因をアレルゲンと言いますが、そのアレルゲンにより、目にかゆみを生じる病気がアレルギー性結膜炎です。
アレルギー性結膜炎は、花粉などが原因で特定の時期にのみ症状があらわれる季節性のタイプと、ハウスダストなどが原因で季節を問わず年中症状があらわれる通年性のタイプがあります。

二見いすず: アレルギー性結膜炎の治療にも点眼薬が用いられるのでしょうか。

鵜木一彦Dr: そうですね。
アレルギー性結膜炎の治療には、アレルギーの反応を抑える抗アレルギー薬や炎症を抑える点眼薬がよく使われます。
アレルギー性結膜炎は、点眼薬をつけたからといってすぐに治るものではありません。
長期におよぶ点眼が必要な方もいらっしゃいますので、眼科医の指導に基づき、症状が落ち着くまでは点眼を行ってください。

二見いすず: たとえば、花粉症などの季節的なアレルギー症状では、治療法などが異なるのでしょうか。

鵜木一彦Dr: 季節性のアレルギーの場合は、最近、症状があらわれる前から点眼薬を使うこともすすめられています。
ぜひお近くの眼科医にご相談ください。

二見いすず: よく分かりました。
来週も眼の病気と目薬についてお話を詳しく伺ってまいります。
鹿児島県医師会の鵜木一彦(うのきかずひこ)ドクターでした。
どうもありがとうございました。

鵜木一彦Dr: ありがとうございました。