2015.11.7 第653回放送分 『インフルエンザ』 ゲスト:山元 公恵ドクター



二見いすず: 11月になりました。
今月のドクタートークは、「インフルエンザ」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の山元公恵(やまもときみえ)ドクターです。
山元さん、よろしくお願いいたします。

山元公恵Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: さて、冬が近づくにつれて、インフルエンザ感染症いわゆるインフルエンザの流行が気になるようになりました。
毎年この時期になりますと、予防接種をお受けになる方も多いと思いますが、今季から新しいインフルエンザワクチンが導入されたというニュースを耳にしました。
詳しく教えてください。

山元公恵Dr: はい。
これまで国内で接種されていたインフルエンザワクチンは、ウイルスのタイプがA型2種類とB型1種類の3価ワクチンでした。
しかし、近年は3価ワクチンに含まれていないB型が流行するケースが世界的に増えたため、この冬からB型を2タイプに増やした4価ワクチンが導入されることになりました。

二見いすず: そうなんですか。
インフルエンザの世界的な流行を踏まえて、3価ワクチンから4価ワクチンへと移行したということなんですね。

山元公恵Dr: はい、そうですね。
4価ワクチンは、世界的に臨床試験で安全性と有効性が確認されており、対応できるウイルスの種類が増えたぶん、感染拡大や重症化を防ぐ効果がよりいっそう期待できるようになりました。

二見いすず: 安全性と有効性が確認された4価ワクチンの導入によって、よりいっそうの効果が見込まれているということですね。
心強いです。
では、予防接種の費用はどうなりますでしょうか。

山元公恵Dr: 4価ワクチンになり、対応できるウイルスの種類が増えたぶん、ワクチンの価格が引き上げられました。
しかし、65歳以上の高齢者および60歳以上で基礎疾患のある方は、一部費用が公費負担となっています。

二見いすず: インフルエンザの予防接種は原則的に全額自己負担ということですが、65歳以上の高齢者と60歳以上で基礎疾患のある方は一部費用が公費負担になるのですね。

山元公恵Dr: インフルエンザワクチンの負担額が増えたため、自己負担額の増加を理由に予防接種をしない人が増え、インフルエンザが流行するのではないかと心配されています。
予防接種を受ければ、インフルエンザに絶対ならないというわけではありませんが、かかりにくくなる、重症化を抑えやすくなると言われています。
ご本人が感染しないためにも、また感染拡大防止のためにも、これまでどおり、なるべく多くの方にインフルエンザの予防接種を受けて頂きたいと思います。

二見いすず: はい。
よくわかりました。
来週も引き続きインフルエンザについて詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の山元公恵(やまもときみえ)ドクターでした。
山元さん、ありがとうございました。

山元公恵Dr: ありがとうございました。