2016.1.2 第661回放送分 『小児ワクチン』 ゲスト:南 武嗣ドクター



二見いすず: 2016年がスタートしました。
1月のドクタートークは、「小児ワクチン」について鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターにお話をお伺いいたします。
南さん、どうぞよろしくお願いいたします。

南武嗣Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今月のテーマは「小児ワクチン」ですが、まずワクチンとはどういうものなのか、あらためて教えていただけますでしょうか。

南武嗣Dr: 私たちの身の回りには、細菌やウイルスによって引き起こされるさまざまな感染症があります。
これらを防ぐ有効な手段がワクチンです。
ワクチンは、感染症の原因となるウイルスなどを精製・加工して、体にとって安全な状態にしたものです。
病気にかかってしまう前にワクチンを接種して、感染症に対する抵抗力すなわち免疫を作っておこうというわけです。

二見いすず: なるほど。
感染症を予防するのに、安全で確実性の高い方法がワクチンということなんですね。

南武嗣Dr: はい。
そうですね。
特に子どもの感染症は予防が第一です。
乳幼児期は免疫が未発達なため、さまざまな感染症にかかりやすいのです。
感染症の中には、深刻な合併症や後遺症をおこしたり、命を落とす危険のある病気もあります。
ワクチンを接種することで、こういった病気からお子さんを守ることができます。

二見いすず: せっかくワクチンという予防法があるわけですから、ぜひ接種して、病気からお子さんを守っていただきたいですね。

南武嗣Dr: はい。
小児ワクチンを接種する目的としては、次の3つがあげられます。
まず1つ目は、接種したお子さんが感染症にかからないようにするため、そして2つ目は、もしかかったとしても症状が軽くてすむためです。

二見いすず: ワクチンを接種すれば、感染症にかからないというわけではないのですね。

南武嗣Dr: 残念ながらワクチンを接種すれば、感染症に絶対ならないというわけではありません。
ただし、ワクチンをうっておけば重症化が防げると言われています。

二見いすず: なるほど。
小児ワクチンを接種すれば、感染症にかかりにくくなり、万が一、かかったとしても症状が軽くてすむということですね。
それでは、小児ワクチンを接種する3つ目の目的は何でしょうか。

南武嗣Dr: 3つ目の目的は、感染症をまわりの人にうつさないためです。
最近では赤ちゃんや小さな子どもさん同伴の買い物や外食が一般的になりました。
また、働く女性が増えて、保育園などで集団生活を送る子どもさんも増えています。

二見いすず: 小さなお子さんがワクチンを受けずに感染症にかかってしまい、重症化したり、また、家族や友達などにうつしてしまったら大変ですよね。

南武嗣Dr: はい。
そうですね。
これはワクチンの社会防衛と言われる一面ですが、自分のまわりの大切な人たちを守ると考えて、ぜひお子さんにワクチンを接種していただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
来週も小児ワクチンについてお話を詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
南さん、ありがとうございました。

南武嗣Dr: ありがとうございました。