2016.1.16 第663回放送分 『小児ワクチン』 ゲスト:南 武嗣ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「小児ワクチン」について、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターにお話を伺ってまいります。
南さん、今週もよろしくお願いいたします。

南武嗣Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、生後2ヵ月になったらすぐ小児ワクチンを始めてほしいというお話をお伺いしました。

南武嗣Dr: はい。
生後2ヵ月に受けたい小児ワクチンは、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、ロタウイルスワクチン、B型肝炎ワクチンの4種類ですが、初めての予防接種でこの4種類を受けるのは、それぞれに理由があるからです。

二見いすず: それはどういう理由なんでしょうか。

南武嗣Dr: はい。
ヒブと小児用肺炎球菌ワクチンは、細菌性髄膜炎を予防します。
細菌性髄膜炎は、生後6ヵ月を過ぎるとかかる子どもが増えますので、生後5、6ヵ月になる前に初回の3回を済ませておくことが大切です。

二見いすず: はい。

南武嗣Dr: また、ロタウイルスワクチンには2回接種の1価ワクチンと3回接種の5価ワクチンの2種類があります。
ロタウイルス感染症は生後5〜6ヵ月頃から増え、5歳までに多くのお子さんが発症します。
最初の感染が一番症状が重いと言われていますので、それぞれ遅くとも生後14週6日までに接種を開始していただきたいです。
また、B型肝炎ワクチンは母子感染の心配がないお子さんなら、生後2ヵ月からの接種がおすすめです。

二見いすず: よく分かりました。
ワクチンの接種時期が決められているのは、それぞれの感染症にかかりやすい時期とワクチンの高い効果が得られる時期を考慮してのことなんですね。

南武嗣Dr: はい。
そうですね。
小児ワクチンは、受けられる時期が来たら、すぐ受けることが基本です。

二見いすず: なるほど。
一度に複数のワクチンを接種することはできるのでしょうか。

南武嗣Dr: 2種類以上のワクチンを1回の通院で接種することを同時接種と言いますが、効果や安全性は単独で接種したときと変わりません。
生後6ヵ月までに受けたいワクチンは6〜7種類もあり、接種回数は15回以上になります。
多数のワクチンを1本ずつ受けていては接種が遅れがちになり、確実に感染症を予防することができなくなってしまいます。
そのようなことがないように、一度に複数の免疫をつけられる同時接種をおすすめします。

二見いすず: わかりました。
ワクチンによって、接種する年齢や回数・間隔が違うようですが、スケジュールを立てるときに気をつけておきたいことはありますか。

南武嗣Dr: ワクチンは、生ワクチンと不活化ワクチンに分けられます。
次の予防接種までの間隔は、原則として生ワクチン接種後は4週間以上、不活化ワクチン接種後は1週間以上です。
ただし、同じワクチンを続けて接種する場合はそれぞれに接種する間隔が違ってきます。
スケジュールを立てる前に接種間隔を確認しましょう。

二見いすず: よく分かりました。
小児ワクチンは、受けられる時が来たら、すぐ受けることが基本だそうです。
効果的、効率的な受け方を考えて、ぜひ同時接種を検討なさってください。
来週も引き続き小児ワクチンについて詳しくお伺いいたします。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
南さん、ありがとうございました。

南武嗣Dr: ありがとうございました。