二見いすず: | 5月になりました。 今月のドクタートークは、「C型肝炎」について鹿児島県医師会の井戸章雄(いどあきお)ドクターにお話をお伺いいたします。 井戸さん、どうぞよろしくお願いいたします。 |
井戸章雄Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | まず、C型肝炎とは、どのような病気なのでしょうか? |
井戸章雄Dr: | C型肝炎とは、C型肝炎ウイルスの感染により肝臓に炎症が起こる病気です。 C型肝炎ウイルスに感染すると、約80%が慢性肝炎となり、慢性肝炎はそのまま放置すると、約20年の経過で肝硬変へと進行します。 いったん肝硬変になると、年率約7%の確率で肝臓がんを発症します。 |
二見いすず: | C型肝炎ウイルスには、どのような経路で感染するのでしょうか。 |
井戸章雄Dr: | C型肝炎ウイルスは感染者の血液・体液を介して感染します。 C型肝炎ウイルスが発見されたのは1990年頃ですので、それより以前に輸血や血液製剤の投与を受けた方は、感染している可能性があります。 |
二見いすず: | そうなんですか。 |
井戸章雄Dr: | また、十分に消毒されていない針を使った入れ墨やタトゥー、ピアス、薬物の乱用なども感染の危険性を高めます。 |
二見いすず: | C型肝炎を発症した場合、自覚症状はあるのでしょうか。 |
井戸章雄Dr: | 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、C型肝炎に罹患していてもほとんど自覚症状がありません。 現在、鹿児島県にはC型肝炎ウイルスに感染している方が数万人いると推測されていますが、治療を受けている方は半数にも満たないため、ぜひ一度はC型肝炎ウイルス検査を受けていただくことをおすすめします。 |
二見いすず: | それでは、C型肝炎の検査について教えてください。 |
井戸章雄Dr: | 皆さんは健康診断や人間ドックで血液検査を受けられることがあると思いますが、AST、ALTという項目に注目してください。 特にALTが30以上の場合は、C型肝炎の可能性がありますので、最寄りの医療機関で詳しい検査を受けてください。 |
二見いすず: | その検査はどのような検査でしょうか。 |
井戸章雄Dr: | はい。 C型肝炎ウイルスの感染の有無を確かめるためには、C型肝炎ウイルスの抗体を調べる血液検査を受け、陽性なら、さらにC型肝炎ウイルスが血液中に存在するか否かを調べます。 |
二見いすず: | 早期に発見できれば、その後の進行を防ぐことができるのでしょうか。 |
井戸章雄Dr: | はい。C型肝炎に対する治療法は進歩してきており、適切な治療を行えば、C型肝炎ウイルスを体から排除できるようになりました。 肝硬変、肝臓がんにならないためにも、ぜひC型肝炎ウイルスの検査を受けてください。 |
二見いすず: | よくわかりました。 お話は鹿児島県医師会の井戸章雄(いどあきお)ドクターでした。 ありがとうございました。 |
井戸章雄Dr: | ありがとうございました。 |