二見いすず: | 今月のドクタートークは、「C型肝炎」について、鹿児島県医師会の井戸章雄(いどあきお)ドクターにお話を伺っております。 井戸さん、今週もどうぞよろしくお願いいたします。 |
井戸章雄Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 今週は、C型肝炎だと診断された場合の治療について教えてください。 |
井戸章雄Dr: | はい。 C型肝炎に対する最も根本的な治療法は、C型肝炎ウイルスを体から排除することです。 日本では1992年以降、インターフェロンという注射薬をベースにした治療が行われてきました。 |
二見いすず: | インターフェロン治療ですね。 |
井戸章雄Dr: | はい。 インターフェロン治療を始めた当初、その効果が認められたのは約10%程度でしたが、その後、飲み薬との併用や改良型のインターフェロンを使った治療が可能となり、より高い効果が期待できるようになりました。 |
二見いすず: | そうですか。 インターフェロン治療によって、C型肝炎ウイルスを排除できるということですが、副作用はないのでしょうか。 |
井戸章雄Dr: | インターフェロン治療の副作用としては、熱が出る、体がだるい、食欲がなくなるなどの症状が見られ、高齢者や副作用が重い患者さんの中には、治療を中止するケースもありました。 |
二見いすず: | それはつらそうですね。 |
井戸章雄Dr: | はい。 このような経緯から、患者さんごとにインターフェロンの効きやすさをあらかじめ予測することが極めて重要であると考えられるようになりました。 その目安となるのが血中ウイルス量とウイルスの型です。 |
二見いすず: | まず、血中ウイルス量を調べると、どのようなことが分かるのでしょうか。 |
井戸章雄Dr: | はい。 一般に血中ウイルス量が多い患者さんはインターフェロン治療が効きにくく、少ない患者さんは効きやすいことが明らかになっています。 |
二見いすず: | 一方、ウイルス型はいかがでしょうか。 |
井戸章雄Dr: | C型肝炎ウイルスは遺伝子の特徴により、1型、2型に分類されます。 このうち日本人感染者の70%を占める1型はインターフェロンの効きが悪く、日本人感染者の30%を占める2型はインターフェロンの効きがいいことが分かっています。 |
二見いすず: | 医学の進歩によって、一人ひとりに合わせた治療法が分かるようになったということなんですね。 |
井戸章雄Dr: | はい。 そうですね。 最近、効果が高くて、副作用の少ない飲み薬による治療法も見つかり、治療を受けられる患者さんの範囲も広がりました。 治療によって、C型肝炎ウイルスが排除できると、肝硬変に進むこともなくなりますし、肝臓がんの発生も抑制されます。 早期発見・治療のために、まずは肝炎ウイルス検査を受けてください。 |
二見いすず: | よくわかりました。 来週もC型肝炎の治療について伺ってまいります。 お話は鹿児島県医師会の井戸章雄(いどあきお)ドクターでした。 ありがとうございました。 |
井戸章雄Dr: | ありがとうございました。 |