2016.8.6 第692回放送分 『日焼け』 ゲスト:島田 辰彦ドクター



二見いすず: 8月になりました。
今月のドクタートークは「日焼け」について、鹿児島県医師会の島田辰彦(しまだときひこ)ドクターにお話を伺ってまいります。
島田さん、よろしくお願いいたします。

島田辰彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今年もまた太陽がまぶしい季節になりましたが、やはり鹿児島は南国ですから、私たちは日焼けしやすい環境にいるということになるのでしょうか。

島田辰彦Dr: そうですね。
二見さん、世界地図を思い浮かべてみてください。
鹿児島からまっすぐ西に進むと、実はサハラ砂漠なんです。

二見いすず: えっ! 鹿児島はあのサハラ砂漠と同じ緯度にあるということですか。

島田辰彦Dr: そうですね。
このことからもわかりますが、私たちは全国でもトップクラスの紫外線量を浴びていると考えたほうがいいです。
時期によっては、沖縄よりも紫外線量が多いというデータもあります。

二見いすず: そうなんですか。
鹿児島で暮らす私たちは日本全国でもトップクラスの紫外線量にさらされる環境にあるそうです。
では、日焼けは、やはり避けなくてはいけないものなのでしょうか。

島田辰彦Dr: 日焼けとは、私たちの体が紫外線による被害を防ごうとする防衛反応です。
紫外線の影響を端的に表すとしたら、「百害あって一利あり」でしょうね。

二見いすず: それはどういうことでしょうか?

島田辰彦Dr: まず、日焼けの一利とは、体内でのビタミンDの合成です。
ただし、ビタミンD合成に必要な紫外線量は、日焼けするときの量よりももっと少なく、それ以上、いくら紫外線を浴びても被害は増えるものの、ビタミンDの合成量は増えないんです。

二見いすず: つまり、日にあたるのは体内でビタミンDを作るのに役立つ面もあるけれど、紫外線にあたりすぎてはいけませんよということでしょうか。

島田辰彦Dr: そうですね。
紫外線による急性障害としては、UVBによる日焼けがよく知られていますね。

二見いすず: そのUVBによる日焼けについて詳しく教えていただけますか。

島田辰彦Dr: 夏至の頃に静岡あたりで正午からだいたい20分も日光を浴びていると日焼けが始まります。
さらにどんどん浴び続けていると数時間後から赤くなる、いわゆる日焼け・サンバーンがあらわれ、その数日後には色がついてくる色素沈着、サンタンを引き起こします。

二見いすず: 色白で日にあたるとすぐに赤くなるけれど、黒くならないという人もいますね。

島田辰彦Dr: はい。
実は、色白ですぐに赤くなるけれど、黒くならないという人は一番紫外線の影響を受けやすいのです。

二見いすず: そうですか。
では、紫外線が健康に与える影響にはどのようなものがあるのでしょうか。

島田辰彦Dr: そうですね。
長期的に見れば、シミ、シワができやすくなるほか、体力や抵抗力を落とすということもあります。
それに皮膚がんや白内障の原因になったりする場合もありますから、紫外線対策は必ずしていただきたいと思います。

二見いすず: はい。
鹿児島では日本でもトップクラスの紫外線量にさらされる環境だということをまずひとつ覚えておいていただきたいと思います。
来週も日焼けについて詳しくお話を伺ってまいります。
鹿児島県医師会の島田辰彦(しまだときひこ)ドクターでした。
ありがとうございました。

島田辰彦Dr: ありがとうございました。