2016.8.13 第693回放送分 『日焼け』 ゲスト:島田 辰彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「日焼け」についてお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の島田辰彦(しまだときひこ)ドクターです。
島田さん、今週もよろしくお願いいたします。

島田辰彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、日焼けは健康に影響を与えるため、紫外線対策が必要だというお話をお伺いいたしました。

島田辰彦Dr: 1970年代にフロンガスによってオゾン層破壊され、紫外線による健康被害が増えていくことが懸念されるようになりました。
そして、1990年代には紫外線に関する研究が盛んに進みました。
世界保健機構WHOは、皮膚も免疫も未熟な子どもたちこそ早めに紫外線対策を行うように提言しています。

二見いすず: 特に夏休みのいまは子どもたちが屋外で活動する機会が増えますよね。

島田辰彦Dr: そうですね。過剰に紫外線を浴びることによって、体力や抵抗力が落ちてしまうためにヘルペスを発症したりすることは意外と知られていないようです。

二見いすず: たとえば、夏場に外で大会があった後などにヘルペスを発症する子どもさんたちがいらっしゃるそうですね。
皮膚も免疫も未熟な子どもたちが体力低下や免疫抑制を引き起こさないために、紫外線対策が大切だということなんですね。

島田辰彦Dr: そうですね。
紫外線対策は、運動中に水分補給をして、体力を落とさずにベストパフォーマンスをするのと同じくらい大切な手段だと僕は考えています。

二見いすず: はい。

島田辰彦Dr: 日本体育協会には専属の皮膚科医のスポーツドクターもいるんですね。
トップアスリート達のパフォーマンス能力が紫外線で損なわれないようにするために助言をしています。

二見いすず: ちょうどいまオリンピックが行われていますが、日本を代表するトップアスリート達も紫外線対策を心掛けていると聞くと、その重要性をますます実感できますね。

島田辰彦Dr: 日焼けをして、肌を黒くするのがファッションだった時代もありましたが、いまや健康の視点で見ると、日焼けはおすすめできないということになります。
以前は推奨されていた子どもの「日光浴」も同じで、1997年からは「外気浴」といって、強い紫外線が子どもにあたらないようにしながら外出する方法をおすすめしています。

二見いすず: 具体的にはどのように日焼けを防げばいいのでしょうか。

島田辰彦Dr: まず一つ目は、紫外線の強い時間帯に外出するのを避けましょうということです。

二見いすず: 紫外線の強い時間帯といいますと、お昼頃でしょうか。

島田辰彦Dr: そうですね。正午を挟む前後2時間ぐらい、午前10時から午後2時頃までが最も日差しの強い時間帯になります。
ちょうどいま子どもたちは夏休みですので、午前中に勉強をして、昼食をとり、お昼寝してから遊びに行くという昔からの習慣は非常によくできています。
この紫外線が強い時間帯は熱中症になる可能性も高い時間帯ですから、紫外線対策は熱中症の予防にもつながります。

二見いすず: そのほかにも日焼けを防ぐさまざまな方法がありますが、引き続き来週もお話をお願いいたします。
鹿児島県医師会の島田辰彦(しまだときひこ)ドクターでした。
ありがとうございました。

島田辰彦Dr: ありがとうございました。