2016.11.19 第707回放送分 『糖尿病』 ゲスト:鎌田 哲郎ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、世界糖尿病デーにちなみ、「糖尿病」をテーマにお送りしております。
お話は、鹿児島県医師会の鎌田哲郎(かまだてつろう)ドクターです。
鎌田さん、よろしくお願いいたします。

鎌田哲郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は糖尿病の病診連携についてお話をお願いいたします。

鎌田哲郎Dr: 糖尿病の治療は、患者さんがずっと継続していく治療ですので、かかりつけ医の先生のところで行なわれる場合が多いと思います。
しかし、食事指導や治療が困難な場合の薬物の選択・変更などは、専門施設で時々指導を受けた方が良い場合があります。

二見いすず: そうなんですね。

鎌田哲郎Dr: 鹿児島県には現在56名の糖尿病専門医がいますが、専門医だけで年々増え続ける糖尿病の患者さんの治療を行う事は不可能です。
そこで、糖尿病の専門医とかかりつけ医が協力して一緒に1人の患者さんを診ていくという病診連携のシステムがとても有効です。

二見いすず: 糖尿病専門医の少ない地域では、どのような取り組みが行われているのでしょうか。

鎌田哲郎Dr: 鹿児島県の糖尿病対策推進会議では、どこでも同じようなレベルの糖尿病治療が受けられるように、糖尿病治療の標準化を進めてきました。
県内数カ所で医療スタッフを対象に、標準的治療について、糖尿病専門医や糖尿病療養指導士が勉強会を実施しました。
また薬物の使い方のフロ-チャートも作成して、これは現在、広く使われるようになっています。

二見いすず: 治療の標準化が進めば、地方で暮らす患者さんも安心ですね。

鎌田哲郎Dr: そうですね。
糖尿病の療養指導に関しては、これまでも認定看護師や日本糖尿病療養指導士といった資格を持つスタッフが活躍していましたが、2015年からは鹿児島県での地域糖尿病療養指導士の制度が出来ました。
これは、療養指導ができるスタッフを離島も含めて広く県内で育成し、鹿児島県のレベルアップを図ろうと考えられたものです。

二見いすず: とても心強いですね。

鎌田哲郎Dr: また、鹿児島市では2013年から糖尿病に関する病診連携がスタートし、その成績も向上しています。
患者さんは日頃は、かかりつけの先生のところで治療を受け、半年に一度、糖尿病の専門施設で食事指導や専門医から指導や検査を受け、その情報はかかりつけの先生へ届けられる仕組みです。

二見いすず: そういう仕組みがありますと、患者さんの負担が減り、安心して治療を継続出来るようになりますね。

鎌田哲郎Dr: おっしゃるとおりです。
鹿児島県全体の糖尿病治療のレベルがアップし、それを多くの患者さんが受けられるように、これからも力を合わせて努力していきたいと思っています。

二見いすず: ぜひよろしくお願いいたします。
お話は鹿児島県医師会の鎌田哲郎(かまだてつろう)ドクターでした。
ありがとうございました。

鎌田哲郎Dr: ありがとうございました。