二見いすず: | 今月のドクタートークは、「肥満とメタボ」をテーマにお送りいたします。 お話は鹿児島県医師会の西尾善彦(にしおよしひこ)ドクターです。 西尾さん、今週もよろしくお願いいたします。 |
西尾善彦Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週は、肥満とは体脂肪が過剰に蓄積した状態のことで、特に、健康に影響をおよぼす内臓脂肪型肥満の人は注意が必要だというお話をお伺いいたしました。 今週は、最近よく耳にするメタボ・メタボリックシンドロームについてお話をお願いいたします。 |
西尾善彦Dr: | メタボリックシンドロームは、内臓脂肪症候群とも呼ばれ、内臓脂肪型肥満の人が、高血糖、高血圧、脂質異常症のうち2つ以上の症状を併発している状態をあらわします。 |
二見いすず: | 高血糖、高血圧、脂質異常症は生活習慣病と言われていますが、命にかかわる病気を招くこともあると聞きますね。 |
西尾善彦Dr: | はい。 たとえば、心臓病の場合、肥満、高血糖、高血圧、脂質異常症がない人に比べて、これらの危険因子が1つある場合は約5倍、2つの場合は約6倍、3つから4つの場合は約36倍も発症の危険度が高まると言われています。 |
二見いすず: | そうなんですね。 危険因子が重なるほど、命に関わる病気になる危険度も高まるんですね。 |
西尾善彦Dr: | はい。そうですね。 過食や偏食、運動不足などの生活習慣の不摂生によって、内臓脂肪が過剰に蓄積されると、高血糖、高血圧、脂質異常を併発しやすくなります。 |
二見いすず: | よくわかりました。 では、自分の内臓脂肪をチェックする方法はありますか? |
西尾善彦Dr: | 医療機関では、CT検査などにより内臓脂肪の状態を確認することができますが、自宅でできる簡単なチェック方法は、おへそのまわりをはかることです。 男性は85cm以上、女性は90cm以上で内臓脂肪型肥満が疑われます。 |
二見いすず: | 内臓脂肪型肥満の目安となるおへそまわりの数値は、男性が85cm、女性が90cm以上ですね。 女性の方が大きな数値なのが意外でしたが。 |
西尾善彦Dr: | 女性は男性に比べて皮下脂肪がたまりやすいので、皮下脂肪のぶんだけおへそまわりが大きくなるんです。 でも、男性は普通体重の人でも内臓に過剰な脂肪がついていることもありますので、要注意なんです。 |
二見いすず: | 男性の場合、見た目は太っていなくても、内臓脂肪がたまっているケースがあるということなんですね。 |
西尾善彦Dr: | そうなんです。 ですから、標準体重の人でも特定健診などを利用して血圧や血液の状態をチェックしていただくことをおすすめいたします。 |
二見いすず: | わかりました。 命にかかわる病気から身を守るためにも年に一度の特定健診で自分の体の状態をチェックしておきたいものですね。 来週はメタボを引き起こす内臓脂肪について、詳しく伺ってまいります。 お話は鹿児島県医師会の西尾善彦(にしおよしひこ)ドクターでした。 ありがとうございました。 |
西尾善彦Dr: | ありがとうございました。 |