2017.5.27 第734回放送分 『うつ病』 ゲスト:春日井 基文ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「うつ病」をテーマにお送りしております。
お話は鹿児島県医師会の春日井基文(かすがいもとふみ)ドクターです。
春日井さん、最終週の今日もよろしくお願いいたします。

春日井基文Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 先週はうつ病の症状が見受けられ、病院を受診するときには、ぜひご家族に付き添っていただきたいというお話を伺いました。
ご家族の協力が患者さんの心の支えとなり、うつ病に対する治療効果を高めるということでした。

春日井基文Dr: はい。
そうですね。

二見いすず: では、今週はうつ病の治療についてお話をお願いいたします。

春日井基文Dr: はい。
うつ病の治療は、薬物療法、精神療法、休養、環境調整の4本柱からなります。

二見いすず: それではまず、薬物療法について詳しく教えてください。

春日井基文Dr: うつ病の薬物療法では、主に抗うつ薬を使います。
抗うつ薬は効果が現れるまでに2週間から4週間程度かかることもありますので、あせらずに医師の指示に従って、処方された量と回数を守って服薬を続けることが大切です。

二見いすず: 抗うつ薬は、どれくらいの期間飲み続ければいいのでしょうか。

春日井基文Dr: 一般的にはうつ状態が改善しても再発予防のために半年から1年程度は飲み続ける必要があります。
また、不眠や不安に対して睡眠薬や抗不安薬を使用することもあります。

二見いすず: わかりました。では、次に精神療法はいかがでしょうか。

春日井基文Dr: 精神療法では、医師が患者さんの不安や悩みを聞き、ストレスへの対処法を一緒に考えていきます。
精神療法は薬物療法とあわせて行うことで効果を発揮しますが、それぞれの患者さんに応じて内容が異なるので、医師の指示に従ってください。

二見いすず: よくわかりました。
では、休養・環境調整についてはいかがでしょうか。

春日井基文Dr: うつ病改善の基本は、十分な休養をとって心と体を休ませることです。
あせらずに休養をとることが回復への近道となります。
ある程度回復したら、生活リズムを整えて、適度な運動や外出で活動量を徐々に増やしていきます。

二見いすず: うつ病と診断されたら、まずは心と体を休めることが最も大切だということですね。

春日井基文Dr: はい。
職場や学校、家庭などで受けるストレスを軽減できるように環境調整を行うことも症状改善や再発予防のために必要です。

二見いすず: 環境調整を行うためには、ご家族や友人、職場、学校の仲間などの理解が欠かせませんね。

春日井基文Dr: はい。
うつ病は誰もがかかりうる病気であり、早めに治療を始めるほど、回復も早いと言われていますので、一人で悩まずにぜひ専門機関に相談してください。

二見いすず: よくわかりました。
4週にわたり、「うつ病」について貴重なお話をお伺いいたしました。
お話は鹿児島県医師会の春日井基文(かすがいもとふみ)ドクターでした。
どうもありがとうございました。

春日井基文Dr: ありがとうございました。