2017.8.26 第747回放送分 『熱中症』 ゲスト:有嶋 拓郎ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「熱中症」をテーマにお送りしております。
お話は鹿児島県医師会の有嶋拓郎(ありしまたくろう)ドクターです。
有嶋さん、最終週の今日もどうぞよろしくお願いいたします。

有嶋拓郎Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今週は熱中症の予防についてお話をお願いいたします。

有嶋拓郎Dr: はい。
まず、疲れている時、睡眠不足の時、そして朝食抜きの時は、熱中症になりやすいということをぜひ知っておいていただきたいと思います。

二見いすず: 疲れ、睡眠不足、朝食抜きというのは、熱中症の大敵だということですね。

有嶋拓郎Dr: はい。
勤勉で、我慢強いという日本人の国民性が、熱中症を引き起こしているのかもしれませんね。

二見いすず: 我慢強いんですね。
暑さ厳しいこの時期、体調が悪い時は、無理をしない、ということが大切ですね。

有嶋拓郎Dr: はい。そうですね。
熱中症は、屋外でのスポーツや労働による発症が多い傾向にあります。
暑い日は炎天下に長くいないように気をつけ、日陰など涼しい場所でこまめに体を休めることも大切です。
ぜひ、今一度、学校や職場の環境を見直していただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
さて、最近、高齢者の熱中症が増えているというお話も耳にいたします。

有嶋拓郎Dr: ご高齢の方は加齢により、体が暑さを感じにくくなっているという生理的な事情があります。
また、体温調節機能も低下してきますので、室内でも熱中症になることがあります。
これは、授業中や課外活動中に熱中症になることが多い児童や、職場での業務中に多い壮年期の人たちとの違いです。

二見いすず: 高齢者の方は室内でも熱中症になることがあるそうですが、予防法がありましたら、ぜひ教えてください。

有嶋拓郎Dr: 高齢者の方は、部屋の温度をこまめに確認したり、のどが乾かなくてもこまめに水分補給をすることが、熱中症の予防につながります。

二見いすず: わかりました。
ところで、熱中症予防のためには、経口補水液やスポーツドリンクを飲んだ方がいいのでしょうか。

有嶋拓郎Dr: いちがいにそうとは言えません。
日本人の食生活は塩分が多い傾向にありますし、スポーツドリンクには糖分が多く含まれています。
屋外でのスポーツや労働で汗をたくさんかくという方でなければ、水や麦茶でも十分だと思います。

二見いすず: わかりました。
では他に気をつけておきたいことはありますか。

有嶋拓郎Dr: 熱中症は夜、睡眠中にも発症することがあります。
寝る前に水分補給をすること、クーラーや扇風機を活用するなどして、涼しく過ごしやすい環境で就寝することを心掛けてください。

二見いすず: よくわかりました。
4週にわたり、熱中症について貴重なお話をお伺いいたしました。
お話は鹿児島県医師会の有嶋拓郎ドクターでした。
ありがとうございました。

有嶋拓郎Dr: ありがとうございました。