2017.10.21 第755回放送分 『眼の症状』 ゲスト:鵜木 一彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、目の愛護デーにちなみ、「眼の症状」をテーマにお送りしております。
お話は鹿児島県医師会の鵜木一彦(うのきかずひこ)ドクターです。
鵜木さん、今週もよろしくお願いいたします。

鵜木一彦Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今週は、「眼が赤い」という症状について、お話を詳しくお願いいたします。

鵜木一彦Dr: はい。
眼が赤いという症状は眼の充血のことです。
眼科を受診する時には、どちらの眼が赤いのか、急に出たのか、だんだん赤くなったのかをお伝えいただきたいです。
また、赤くなっているのは、眼球の白目か、まぶたか、また、見え方は悪くなっているのか、変わりがないのかもポイントになります。

二見いすず: わかりました。
目が赤くなると、目やにが出ることもありますよね。

鵜木一彦Dr: そうですね、目やにも伝えていただきたい重要な情報です。
目やには原因によって色や様子が違うので、たとえば、色は白っぽいのか、黄緑色っぽいのか、サラサラしているのか、ドロっとしているのかなども伝えてもらえるとありがたいです。

二見いすず: よくわかりました。
では、眼が赤くなったときに考えられる病気を教えてください。

鵜木一彦Dr: 眼が赤くなる原因として最も多いのが、結膜炎です。
結膜炎になると、眼の充血のほかに涙が出る、目やにが出る、ゴロゴロとした異物感などの症状があらわれます。
特に注意を要するのが「はやり目」といわれる「流行性角結膜炎」です。
今年も一時期、はやり目が多い時期がありました。
アデノウイルスによる感染症ですが、涙や目ヤニを介して家族や周りの人たちへ広がっていくので注意を要します。
通学や通勤ができなくなります。目の赤い症状に加えて眼のかゆみを感じる場合は、アレルギー性結膜炎が疑われます。

二見いすず: まぶたが赤くなる「ものもらい」はいかがでしょうか。

鵜木一彦Dr: そうですね。
俗にいう「ものもらい」は麦粒腫といって、細菌感染が原因です。
はじめはまぶたに局所的な赤みがあらわれ、しばしば軽度の痛みやかゆみ、腫れを伴います。
また、霰粒腫というまぶたの中に炎症を伴ってできる、できものがあります。
こちらは治るまでに時間がかかることも多いです。
やはり、眼科を受診して診断を受けるのが大切です。

二見いすず: わかりました。
一方、眼が赤くなり、視力が落ちていると感じるときには、どのような病気の可能性がありますか。

鵜木一彦Dr: 眼の充血と視力の低下の両方がみられる病気としてはぶどう膜炎があります。
ぶどう膜炎が生じると、眼の赤み、痛み、かすみ、まぶしさ、視界に小さな虫が飛んで見えるような飛蚊症などの多彩な症状があらわれます。
急激に視力や見え方が悪化することもあり、早めの受診がすすめられる病気です。

二見いすず: ぶどう膜炎は、治りにくい病気なのでしょうか。

鵜木一彦Dr: 目薬や内服治療で軽快するものが多いのですけれども、一時的によくなり、再びまた悪くなるといった再発・寛解を繰り返すものもあります。
長期にわたって経過をみる必要のある疾患といえます。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の鵜木一彦(うのきかずひこ)ドクターでした。
ありがとうございました。

鵜木一彦Dr: ありがとうございました。