2018.4.28 第782回放送分 『禁煙』 ゲスト:有馬 新一ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「禁煙」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の有馬新一(ありましんいち)ドクターです。
有馬さん、最終週の今日もよろしくお願いいたします。

有馬新一Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今週は最近話題の加熱式タバコについてお話をお願いいたします。

有馬新一Dr: はい。
近年、紙巻タバコから加熱式タバコに切り替える方や、紙巻タバコと加熱式タバコを使い分ける人が増えているようです。
さて、二見さん。
「紙巻タバコより加熱式タバコの方が安全」だという情報は正しいと思いますか?

二見いすず: そういう広告を見たような気がいたしますが、ちょっと不安ですね。

有馬新一Dr: 加熱式タバコは、タバコの葉を使用したタバコ製品です。
紙巻タバコに比べて喫煙者本人や周囲への害が少ないかのように宣伝されていますが、医学的な根拠はありません。

二見いすず: そうしますと、「紙巻タバコより加熱式タバコの方が安全」だというのは、誤解なんですね。

有馬新一Dr: はい。そうですね。
加熱式タバコには紙巻タバコと同程度のニコチンが含まれています。
このため、加熱式タバコを吸い続ければ紙巻タバコと同じようにニコチン依存症になります。
逆に紙巻タバコと比較して加熱式タバコを使っている人の方がかえって喫煙をやめられないという調査結果もあります。

二見いすず: そうですか。
では、加熱式タバコでも受動喫煙があるのでしょうか。

有馬新一Dr: 煙や蒸気が見えなくても、臭いが少なくても、受動喫煙は起こると考えられます。
日本の受動喫煙対策においても、加熱式タバコは紙巻タバコと同様に規制される対象であることをぜひ覚えておいていただきたいと思います。

二見いすず: 健康的な生活を望むのなら、紙巻タバコも加熱式タバコもやめて、禁煙に取り組むのがおすすめだということですね。

有馬新一Dr: はい。そうですね。
喫煙が健康に与える影響は大きく、受動喫煙の危険性やニコチンの依存性を踏まえると、喫煙習慣は個人の嗜好にとどまらない健康問題であり、社会の課題です。

二見いすず: そうですね。

有馬新一Dr: 世界保健機構・WHOは、禁煙を推進するために毎年5月31日を「世界禁煙デー」に制定しています。
日本では5月31日から6月6日までの1週間を「禁煙週間」と定め、全国の自治体で様々な取り組みやイベントが開かれています。
ぜひ皆さんもこの機会に禁煙や受動喫煙について考えてみてください。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の有馬新一(ありましんいち)ドクターでした。
ありがとうございました。

有馬新一Dr: ありがとうございました。