二見いすず：	今月のドクタートークは「周期性発熱症候群」をテーマにお送りしております。 お話は鹿児島県医師会の山�ｱ雄一（やまさきゆういち）ドクターです。 今週もよろしくお願いいたします。
山�ｱ雄一Ｄｒ：	よろしくお願いします。
二見いすず：	今週は、周期性発熱症候群の中でも最も頻度が高いという「PFAPA症候群」の治療についてお話をお願いいたします。
山�ｱ雄一Ｄｒ：	これまでPFAPA症候群の症状と診断についてお話してきましたが、残念ながら、PFAPAの原因はいまだわかっていません。 ただ、予後は良好で、重篤な合併症もありません。 PFAPAは一般的に年齢とともに軽くなり、10歳前後には自然と症状がなくなると言われています。 そのため、全身状態が良好な場合は、無治療で経過観察することもできます。
二見いすず：	PFAPAは予後が良好だと聞いて、少し安心いたしました。
山�ｱ雄一Ｄｒ：	そうですね。 ただ小児期は発熱があると、幼稚園や小学校を休まざるを得ません。 ６日ほど休むことを1ヶ月ごとに繰り返すと、授業に遅れてしまうこともあります。 熱のある期間が長い場合や、全身症状が悪くなる場合は、扁桃摘出術、発作時のステロイド服用、シメチジン予防内服などの治療法を選択できます。
二見いすず：	まず、扁桃摘出術について詳しく教えてください。
山�ｱ雄一Ｄｒ：	扁桃摘出術では、発熱発作抑制効果が最も期待できるとされます。 ただし、100％の効果ではないこと、自然治癒が期待できるため手術のリスクも考慮した上で判断すべきです。
二見いすず：	次に、発作時のステロイド単回服用はいかがでしょうか。
山�ｱ雄一Ｄｒ：	PFAPAの治療に用いられるのは、副腎皮質ステロイドであるプレドニゾロンです。 ほとんどがこのプレドニゾロン単回服用後1日以内に解熱すると報告されています。 ただし、使用によって発作の間隔が短縮することがあったり、他の疾患に対してプレドニゾロンが影響する可能性があるため、使用には注意が必要です。
二見いすず：	よくわかりました。 では、最後にシメチジン予防内服について教えてください。
山�ｱ雄一Ｄｒ：	シメチジンというのは、ヒスタミン受容体拮抗薬です。 詳細は不明ですが、免疫調整作用、抗炎症作用もあると考えられており、PFAPAにもある程度の効果が報告されています。 ３割ほど発作が消失し、３割ほどは軽快して発作間隔の延長を認めると言われています。 ただし、十分な効果が得られない場合は、漫然とした使用は避けるべきです。
二見いすず：	他にも治療法はありますか？
山�ｱ雄一Ｄｒ：	扁桃摘出術、ステロイドの単回服用、シメチジン予防内服で抑制できない場合は、一部有効例が報告されているロイコトリエン拮抗薬やコルヒチンの内服を検討してもよいかもしれません。 ただし、あくまでも先ほどの３つの治療法で発作抑制ができず、他の選択肢がない場合に考慮してもよいという位置付けです。 そのことをぜひ忘れないでいただきたいと思います。
二見いすず：	よくわかりました。 来週もPFAPA症候群についてお話を伺ってまいります。 鹿児島県医師会の山�ｱ雄一（やまさきゆういち）ドクターでした。 ありがとうございました。
山�ｱ雄一Ｄｒ：	ありがとうございました。