2018.7.7 第792回放送分 『子どもの貧血』 ゲスト:児玉 祐一ドクター



二見いすず: 7月になりました。
今月のドクタートークは「子どもの貧血」について、鹿児島県医師会の児玉祐一(こだまゆういち)ドクターにお話をお伺いいたします。
児玉さん、どうぞよろしくお願いいたします。

児玉祐一Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今月のテーマは「子どもの貧血」です。
貧血といいますと、若い女性に多いというイメージがありますが、子どもにも多い病気なのでしょうか。

児玉祐一Dr: はい。
日本を含めた先進国でも20%の人が小児期のいずれかの時期に貧血になると言われています。

二見いすず: そうなんですか。
あらためまして、貧血とはどのような病気なのでしょうか。

児玉祐一Dr: 貧血の定義は、健康な方に比べて、血液中のヘモグロビン濃度が低いことです。
また、貧血の診断基準は年齢や性別により異なります。

二見いすず: 貧血はどのような原因で発症するのでしょうか。

児玉祐一Dr: 赤血球の産生障害・分化障害、赤血球の破壊亢進、赤血球の喪失のいずれかの原因によって発生します。
また、慢性炎症や薬剤が原因となるものもあります。

二見いすず: よくわかりました。
では、子どもの貧血にはどのような特徴がありますか。

児玉祐一Dr: 子供の貧血には3つの特徴があります。
まず1つ目は年齢・性別で貧血の診断基準が異なること、2つ目は年齢ごとに発症しやすい貧血が存在すること、そして3つ目の特徴が先天性・遺伝性要因による貧血があることです。

二見いすず: 子どもが貧血になっていた場合、何らかの症状がみられますか。

児玉祐一Dr: 慢性的な貧血の場合、ほとんどが無症状で、血液検査で偶然判明するケースが多いです。
ヘモグロビンが8g/dl(グラムパーデシリットル)未満になると、顔色不良、食欲不振、頭痛、めまいなどの症状がみられますが、普段一緒にいる保護者の方は顔色が悪いことにも気付かないことが多いです。

二見いすず: そうなんですか。
子どもの貧血について他にも気をつけておきたいことはありますか?

児玉祐一Dr: 急性出血による貧血は、症状が顕著で心不全をきたす場合があります。
また、発熱や出血傾向、肝脾腫、リンパ節腫脹を伴う場合は白血病などの重篤な疾患の可能性があります。
このような症状がお子さんにみられたら早めに医療機関を受診されてください。

二見いすず: よくわかりました。
来週は、子どもに起こりやすい貧血について詳しくお話を伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の児玉祐一(こだまゆういち)ドクターでした。
ありがとうございました。

児玉祐一Dr: ありがとうございました。