2018.8.11 第797回放送分 『熱中症』 ゲスト:有嶋 拓郎ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「熱中症」をテーマに、鹿児島県医師会の有嶋拓郎(ありしまたくろう)ドクターにお話を伺っています。
有嶋さん、よろしくお願いいたします。

有嶋拓郎Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今週は子どもの熱中症予防について、お話をお願いいたします。

有嶋拓郎Dr: 子ども(乳幼児・幼児)は体温調節機能が未発達です。
特に汗をかく機能が未熟で、大人と比べると汗をかくまでに時間がかかり、体温を下げるのにも時間がかかってしまうために、体に熱がこもりやすく、体温が上昇しやすくなります。
そこで、より一層の熱中症予防・対策を行う必要があります。

二見いすず: わかりました。
どのようなことに気をつければいいのでしょうか。

有嶋拓郎Dr: 乳幼児は自律神経の機能が未熟なぶん、ひとたび汗をかきだすと、汗や尿として体から出ていく水分が過度に多くなります。
簡単に脱水を起こしてしまいます。
水分の多い食事や定期的な水分補給を心がけてください。

二見いすず: 外出する時はいかがでしょうか。

有嶋拓郎Dr: 小さなお子さんは、背が低かったり、ベビーカーの利用などで大人よりも地面に近い環境で過ごすことが多く、地表からの熱を受けやすくなります。
子どもの高さの気温や湿度を気にかけてください。
一般的には2度くらい高いと考えるとよいと思います。

二見いすず: そうですか。
日差しから身を守るだけではなく、地面の熱や湿度にも気をつけてほしいということですね。

有嶋拓郎Dr: 小さなお子さんは自分で洋服を脱いだり、飲み物を飲むなどの暑さ調整がうまくできません。
特に遊びに夢中になると、熱中症のサインに気づくのが遅くなりがちです。
汗や体温、顔色などに変化がないか大人が見守りながら、定期的な休憩や水分補給を心掛けましょう。

二見いすず: 小さなお子さんは、暑さや体の不調を自分の言葉で十分に訴えることができないからこそ、まわりの大人が気にかけることが大切ですね。

有嶋拓郎Dr: はい。
特に乳幼児は自分の力で移動することができないので、「寝ているから」「ちょっとの時間だから」と放置することは非常に危険です。
特に車内に置き去りにすることは絶対にやめてください。

二見いすず: わかりました。
さて、いま夏休み真っ只中ですが、小学生の課外活動や中高生の部活動で、熱中症になるケースも見受けられます。

有嶋拓郎Dr: 炎天下や空調設備の整っていない体育館などでスポーツをする時、海・山などでの野外活動では、熱中症の危険から身を守るアクションをとることが大切です。
適度な水分と塩分の補給を行い、こまめに休憩をとるようにしましょう。

二見いすず: 体調が悪い時には無理に運動しないということも大切ですね。

有嶋拓郎Dr: はい、その通りです。
スポーツや野外活動を行う時は、事前に十分な睡眠や栄養、水分を摂取することが重要です。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の有嶋拓郎(ありしまたくろう)ドクターでした。
ありがとうございました。

有嶋拓郎Dr: ありがとうございました。