2018.8.18 第798回放送分 『熱中症』 ゲスト:有嶋 拓郎ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「熱中症」をテーマに、鹿児島県医師会の有嶋拓郎(ありしまたくろう)ドクターにお話を伺っています。
有嶋さん、今週もよろしくお願いいたします。

有嶋拓郎Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今週は働き盛りの世代の熱中症予防について、お話をお願いいたします。

有嶋拓郎Dr: まず、疲れている時、睡眠不足の時、そして朝食抜きの時は、熱中症になりやすいということをぜひ知っておいてほしいと思います。

二見いすず: 疲れ、睡眠不足、朝食抜きは、熱中症の大敵だということですね。

有嶋拓郎Dr: はい。
実際に熱中症で搬送されてきた方に「朝ごはんを食べましたか?」と聞くと、ほとんどの人が「食べていない」と答えるのです。

二見いすず: そうなんですか。

有嶋拓郎Dr: 朝食抜きは、体調不良、寝不足と重複していることが多いという印象があります。
つまり、朝食を食べるということは、規則正しい生活をしているという目安になります。

二見いすず: なるほど。
そうですね。

有嶋拓郎Dr: 早寝早起き、食事が熱中症対策の基本です。
特に日本食は適度な栄養や塩分が摂取できるようになっているので、暑い夏こそ、朝食をとっていただきたいと思います。

二見いすず: 繰り返しになりますが、早寝早起き、食事が熱中症対策の基本だということです。

有嶋拓郎Dr: 勤勉で我慢強いというのは、日本人の国民性ですが、頑張る人、無理をする人が熱中症になりやすいと言われています。

二見いすず: 暑さ厳しいこの時期、具合が悪くなったら我慢せずにすぐに申し出ることも大切ですね。

有嶋拓郎Dr: そのとおりです。
周囲の人が変化に気付くことができる環境づくりも、熱中症対策の1つです。
特に屋外で長時間にわたり作業するような職業についている人は、できるだけ一人で作業しないようにしてください。
あと、自分は絶対に熱中症にかからないと思っていました、というような言葉もよく聞きます。
過信があるのかもしれません。

二見いすず: そうですね。
他にも気をつけておきたいことはありますか。

有嶋拓郎Dr: 最近は熱帯夜が多いですが、寝苦しくて寝不足になると、体力が落ち、熱中症のリスクが高まります。
涼しいパジャマや寝具を使い、エアコンのタイマー機能などを利用して暑さをやわらげるなど、寝つきをよくする工夫をしてみてください。
熱帯夜の日数と熱中症死亡率は相関関係がありますので、連日の熱帯夜という言葉は危険な熱中症になりやすい環境なのです。

二見いすず: 寝る前の水分補給も心がけておきたいですね。

有嶋拓郎Dr: そうですね。
睡眠中も水分は奪われます。
のどが渇いた時にすぐに水分補給ができるように、手の届く範囲に飲み物を置いておきましょう。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の有嶋拓郎(ありしまたくろう)ドクターでした。
ありがとうございました。

有嶋拓郎Dr: ありがとうございました。