2018.8.25 第799回放送分 『熱中症』 ゲスト:有嶋 拓郎ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「熱中症」をテーマに、鹿児島県医師会の有嶋拓郎(ありしまたくろう)ドクターにお話を伺っています。
有嶋さん、最終週の今日もよろしくお願いいたします。

有嶋拓郎Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今週は、世代を問わず日常生活で心がけたい熱中症対策について教えていただけますか。

有嶋拓郎Dr: はい。
まず、汗をかきたくないからと、水を飲まない方がいらっしゃいますが、水分補給は熱中症対策の基本中の基本です。
のどが渇いていなくても、こまめに水分をとりましょう。

二見いすず: 熱中症対策には塩分の補給も有効だと聞きますね。

有嶋拓郎Dr: 毎日の食事を通してほどよく塩分をとることが大切です。
外で活動する時など、大量の汗をかくときは、塩あめや市販されている塩分補給用のタブレットなどを食べるといいでしょう。

二見いすず: ただ、塩分のとりすぎにならないか心配なんですが。

有嶋拓郎Dr: 市販のタブレット類は、水を飲みたくなるような適度な塩分を含むように作られています。
仮に一袋全部食べても1日の必要食塩量の半分にも達しません。

二見いすず: そうですか。
ちょっと安心いたしました。

有嶋拓郎Dr: 最近は冷たさを感じるウエットティッシュやスプレーなども売られていますが、表面が涼しく感じるだけで、体内の熱は放射されません。
熱中症対策にはあまりならないだけなく、スプレーで凍傷を負う事故もありますので、注意が必要です。

二見いすず: ウエットティッシュや冷却スプレーは、熱中症対策にはあまり向いていないということですね。

有嶋拓郎Dr: この夏の猛暑を受けて、日本救急医学会では7月20日に熱中症予防に関する緊急提言を発表しました。

二見いすず: それはどのような提言ですか。

有嶋拓郎Dr:
熱中症予防に関する緊急提言の4つの提言は次のとおりです。
 1 暑さ指数を意識した生活を心がけ、運動や作業中止の適切な判断をする!
 2 水分をこまめに取ること。
おかしいなと思ったら、すぐ涼しい場所に誘導を!
 3 適切な重症度判断と応急手当を。見守りつつ改善がなければすぐ医療機関へ通報!
 4 周囲にいるもの同士が、お互いに注意をし合う環境!

二見いすず: 熱中症は重症化すると命に関わる怖さがありますが、注意をすれば、防ぐことができるということもありますね。

有嶋拓郎Dr: はい。そのとおりです。
日本救急医学会のホームページでは、熱中症に関する緊急提言の全文が掲載されています。
ぜひご覧になっていただいて、熱中症対策に役立てていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
熱中症対策について貴重なお話をお伺いいたしました。
鹿児島県医師会の有嶋拓郎(ありしまたくろう)ドクターでした。
ありがとうございました。

有嶋拓郎Dr: ありがとうございました。