2018.10.6 第805回放送分 『目の病気』 ゲスト:土居 範仁ドクター



二見いすず: 10月になりました。
今月のドクタートークは10月10日の「目の愛護デー」にちなみ、「目の病気」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の土居範仁(どいのりひと)ドクターです。
土居さん、どうぞよろしくお願いいたします。

土居範仁Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今月は目の病気の中でも糖尿病が原因となる目の病気についてお話いただくということですね。

土居範仁Dr: はい。
糖尿病は進行するとさまざまな臓器に病気を起こします。
目も例外ではありません。
糖尿病からくる眼の病気にはいくつか種類がありますが、その中で最も厄介なのが糖尿病網膜症です。
現在日本において、中途失明原因の2位になっている病気です。

二見いすず: 糖尿病が原因で失明することがあるんですね。

土居範仁Dr: そうなんです。
この病気は初期段階では自覚症状がほとんどありません。
そのため、知らず知らずのうちに病気が進行してしまい、ある日突然見えなくなることがあります。

二見いすず: 自覚症状がないとは怖いですね。
では、改めて、糖尿病と目の関係について教えてください。

土居範仁Dr: はい。
目の中には網膜という薄い神経の膜があり、ものを見るために重要な役割をしています。
この網膜には毛細血管が張り巡らされていて、それが網膜症発症に関係しています。

二見いすず: 目の毛細血管と糖尿病が関係しているということなんですね。

土居範仁Dr: 糖尿病は血糖値が高くなる病気です。
高血糖になると、目の中の血管がもろくなって、血液がもれたり、血管が詰まって血が流れにくくなったりして、栄養不足を起こします。
これが糖尿病網膜症の原因です。

二見いすず: そうなんですね。

土居範仁Dr: さらに進行して広い範囲で血管が詰まると、新生血管という異常な血管が出てきます。
この新生血管は非常にもろい血管で、目の中に大きな出血を起こしたり、網膜に新しい膜を作って、網膜剥離を起こしたりします。
これが最終的には失明につながってしまいます。

二見いすず: 糖尿病網膜症は、自覚症状がないまま進行し、失明することもある病気なんですね。

土居範仁Dr: はい。そうなんです。
糖尿病網膜症は、糖尿病になって数年から10年以上経過して発症するといわれています。
かなり進行するまで自覚症状がない場合もあります。
ぜひこの番組で、糖尿病網膜症を正しく理解していただき、早期発見・早期治療につなげていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
今月は「目の病気」についてお話を伺ってまいります。
来週も糖尿病網膜症について詳しくお話いただきます。
鹿児島県医師会の土居範仁(どいのりひと)ドクターでした。
ありがとうございました。

土居範仁Dr: ありがとうございました。